サンダイルの空気をつめこんで【サガフロ2・ゲーム音楽】
皆さんこんにちは。ゲーム音楽、聴いてますか?
すみません、藪から棒に。
ただ、外出自粛の昨今、冒険や劇的なシーンに寄り添う「ゲーム音楽」は、現状の煩わしさから離れるのにぴったりだと感じています。
今日のお話は、そんなゲーム音楽の中でも、私が一番思い入れのある「サガフロンティア2」の音楽についてです。
サガフロンティア2とは
サガフロンティア2、通称サガフロ2は、1999年にスクウェアから発売されたRPGです。
「術」が当たり前に使える世界「サンダイル」。
フィニー王国に生まれた王子ギュスターヴ三世は、術が全く使えなかった。
ギュスターヴはその後、追放、母の死を乗り越え、覇道を突き進んでいく。
……という、歴史的な「表」のストーリーと、
所有する者の人格すら乗っ取る強力な装備「エッグ」。
エッグと、エッグにより翻弄されるナイツ一族との、壮絶な死闘の記録。
という「裏」のストーリーとで展開される、およそ100年間の歴史を巡るゲームです。
壮大なストーリーはもちろん、美しい水彩画の背景とドット絵キャラとの鮮やかな融合、そして瑞々しい音楽がとても印象的なゲームでした。
一応、PS3等のゲームアーカイブスで購入できますよ!
若干駆け足なストーリーや、従来のサガシリーズからはだいぶ離れた印象であるため、発売当初は賛否両論だったようですが、私の思い出の一本なんです。
何より、音楽です。
ピアノの旋律が主で、緩急はありつつも、全体的に爽やかな聞き心地がもう、最高。
そして、ある挑戦を達成した音楽でもあるのです。
世界観を包み込むフレーズ
とにかく聴いていただきましょう。
サントラの試聴用の動画が公式でアップされていますので、少しだけでも触れてほしいです。
はーーー、いい……。沁みますね~。
私がこのサントラが大好きなのは、フィールドや街の気候を肌で感じられそうな耳心地です。
砂漠の町のじりじりとした暑さと乾燥、川べりにある田舎町の朝露……。
そんな細かな部分まで思いをはせることができるような名曲ばかりです。
リアルタイムでプレイしていた私は、明るい曲でもはしゃいだりしない、オトナでクラシカルな曲調やピアノの伸びやかさにもうメロメロでした。
ただ、水彩画のビジュアルと音楽がとてもよくあっていたせいで、違和感がなかった、というか、どこに惹かれているのか分からなかったんですよね。
クリア後だいぶ経ってから、水彩画のあたたかな透明感と音楽、重厚な歴史観に支えられたストーリーの融合に酔いしれていたのだと気づきました。
今でもたまにPSを引っ張り出して楽しんでいます。
さて、個人の感想は一旦このくらいにして。
上に掲載した動画での音楽の一部で、気づかれた方もいるかもしれませんが、このゲームの音楽は、「統一的に4つのフレーズのみを、アレンジを繰り返して使用している」のです!
普通にプレイしていた私もまったく気づかなかったですが……。
このことは、攻略本「サガフロンティア2アルティマニア」(愛読書)にて、作曲家の浜渦正志氏のインタビューで語られています。
曰く、音楽の統一感を出すための試みだとか。
特に戦闘曲を聞いていけば分かるのですが、確かに、同じフレーズが繰り返し使われています。
それでこんなに表情豊かなサントラができるとは、素晴らしいです。
私が一番なのは、「Feldschlacht Ⅳ(野戦4)」!
力強いアレンジと優雅なアコーディオンが印象的で、洒脱でどちらかというとドライなサガフロ2の空気感によく合った戦闘曲です。
余談
拙作ではありますが、おいでよどうぶつの森の「島メロ」で、サガフロ2おなじみのフレーズを作ってみました。
やっぱりこういうのは趣味に走りませんとね。
いやーやっぱりサガフロ2はいい!
まだいろいろ話したいことがあるんですけど、別の機会に、ということで!