🎃🌕はココが良い！

はじめに

⚠この文章は、ゲーム実況者のジャック・オ・蘭たんさんが2012年にニコニコ動画に投稿した実況動画『ふしぎな世界で　くう　ねる　すくう【実況　moon】』の魅力や解釈を、いちファンが綴ったものです⚠

⚠蘭たんへの解釈もmoonへの解釈も全っっっ部個人的な意見です⚠

⚠ゲーム公式本や制作陣のインタビューなどはほぼほぼ把握できていないので、解釈等に公式との齟齬があると思います⚠

⚠以上が大丈夫だぞ！という方はお暇があれば…🙏少しでも、moonや🎃moonに興味を持った方に届いていれば幸いです。既に視聴された方には共感したりしていただけたら幸いです⚠

ここからは『まだmoon、及び🎃のmoon実況動画を知らない方向けの「ここがイイぞ！🎃moon」プレゼン文章』です

『蘭たんのmoonって、良い良いとは聞くけど具体的に何が良いの？』

　そう思う方は少なくはないだろう。現に私自身も、この目で見るまではそう思っていた。既視聴者がひたすら「とにかく見てくれ…」と言い続ける蘭たんのmoon、その魅力が一体何なのか考え、全く予備知識のない方向けに文を綴ってみた。

2012年の蘭たんが魅せるmoonの世界

　今や鉄板となった蘭たんの背後霊スタイルの実況は、操作キャラクターや登場キャラクターにまるで自分もその場にいるかのように話しかけ絡んでいくことで、キャラクターの解像度上がったり面白いシチュエーションが生まれるという良さがある。
　そのスタイルとは違い、『moon』の実況においてはほとんど「蘭たん自身が主人公として世界を歩き回っている」スタイルで実況している。操作する主人公がなにも語らない分、蘭たん自身がキャラクターと会話し、イベントにリアクションを取り、色々解釈したり考察したりしていくところが良さのひとつだと考える。

未知ほど興味をそそられるものはない

　また近頃のYou Tubeにおける蘭たんの実況は、多くの場合「どんなゲームか簡単な概要は知っている」というスタンスの元、始めからゲームに積極的に向き合っている様に個人的には感じている。だがニコニコ時代、それも初期〜中期の頃は今とは全く違うスタイルの実況をしていると言える。蘭たんらしさはそのままだが、大まかなスタンスが違うように感じるのだ。

　蘭たんは『moon』というゲームがどういったゲームかは全く知らず「ゲームタイトルぐらいしか知らない」と言ってこのゲームを始める。
　なにを目的とした、どんなことをするゲームか、予備知識全くなしかつ評判の良いゲームをプレイするワクワク感はきっとすごいだろう。それは、ゲーム内容も実況内容も何も知らない視聴者も同様で、私は当時の蘭たんと一緒に『moon』の世界に歩みを進めていくことに、ものすごく高揚したことを今でも覚えている。その感覚もこのゲームと実況動画を楽しめる理由のひとつだろう。

推しの楽しそうな姿が嫌いなオタクはいないじゃない

　そして、現在の蘭たんもツッコミで率直な物言いをすることはあるが、それとはまた違った『色んな意味で素直』な言動、言うなればリアクションがストレートな2012年の蘭たんというのも魅力のひとつと考える。　　「なんだよこれ」「適当だなぁ〜」とローテンション気味な蘭たんが、進めていく毎にどんどんどんどんのめり込んで、キャラクターの言動や発生するイベントに一喜一憂し、moonの世界を満喫する姿が本当に見ていて楽しい。

　嬉しいことがあれば全力で「ヤッターーー！！！」と喜び、上手く行かないことや都合の悪いことが起きると「んもぉ〜〜〜…」とヘコむ。ヘコむけどへこたれずに頑張る。個人的にそういうところが蘭たんの純真さがすごく伝わって好きなのである。実況しつつも、一人のプレイヤーとして純粋にこのゲームを楽しんでるんだなということが、全面から伝わってくるのだ。

moonの良さは、知らないからこそ増す

　肝心の『moon』というゲーム自体の良さについてだが、これに関しては前述した『事前知識ゼロだからこそ世界観に入り込んで楽しめる』という旨同様、ここではあまり語ることはしない。どんな導入で、どんなシステムで、どんなストーリーが繰り広げられるのか、わくわくしながら見てほしい。
　あまり気が進まないという方は、とりあえずpart1だけでも見てみることをおすすめする。これだけ見れば、とりあえず「moonがどういったゲームか」の『入り』の部分はしっかり理解できるだろう。そして私はかなりの自信を持って「part1を見たら次が見たくなる」と言うことができる。それだけ先の展開が自然と、無性に気になる作りになっているのだ。気づけば最終回まで完走していた、なんてことも不思議ではないくらいに。

　長々と語ったが、とにかく言いたいことは

『今（Youtube）とは違った良さのあるジャック・オ・蘭たんを堪能できる』

『蘭たんの実況や人柄とmoonのストーリーやキャラクターの相性がとても良い』

『自然と先の展開を見たくなる面白さのあるゲームとその実況』

といったことである。興味を持ったのであればぜひとも一度見てみてほしい。後悔はさせない。

以下余談
　見やすいのはYoutube版であるが、個人的にはいろんな解釈コメや豆知識コメがあったり、蘭たんの投稿者コメントやマイリストコメントが見れるニコニコ版もおすすめである。特に最終回後の番外編はYoutube版ではカットされている部分もあるため、ぜひともニコニコ版を見てほしい。

【ニコニコ動画】
part1
https://nico.ms/sm17445090

マイリスト
https://nico.ms/mylist/31276287?ref=androidapp_other

【Youtube】
part1
https://youtu.be/1jeYOlfT3qA

再生リスト
https://youtube.com/playlist?list=PLilypEVBBl1Xy9EhCa_3_ySDV4kZbNeQW

ここからはmoon、及び蘭たんのmoonのネタバレを含みます。内容を知っている方向け。『蘭たんのmoonってこうこうこうだからこういう良さがあるよね！』という個人的な感想

愛とは、ラブとは、

　ラブの形や意味に絶対的な正解はなくて、人それぞれの思うラブが正解なのかなと個人的に解釈している。例え同じ意味のラブでも、人によって形も表し方も大きさも量も重さも異なる。

　「moon」というゲームではそんなラブを様々なキャラクターやイベントを通して感じる、触れる、得るものだとおもっている。
　キャラクター一人ひとりが、みんな違ったラブを持っているのだ。そのラブを、悩みを聞いてあげたり、頼み事を聞いてあげたり、助けてあげたりして、主人公は手に入れていく。分けてもらっている、という考え方もいいかもしれない。

　自己愛とかの一部例外は除いて、ラブとは誰かや何かとの間に生まれるもの。プレイヤーは主人公を通して様々なラブを受け取る。蘭たんは、内容がどういうものなのか、事前情報を一切知らずにこのゲームを遊んだ。初めはチープなOPから始まったことで「なんだこれ？」的な感情が強かったように見受けられたプレイや言葉が、進めていくに連れて＝次々にラブを手に入れていくことで、キャラクターに寄り添い、moonの世界への思い入れが深くなったものへと変化していく。

　こういった「最初はゲームの進行にただ従って遊んでいたプレイヤーが、いつしかその世界にのめり込んで、課せられているノルマを率先してこなしていく、という「言われたからやる」が「やりたいからやる」に変わる瞬間」っていいなあと、蘭たんのmoonを見て知った。
　どんなアニマルかきちんと図鑑を見て、たまに図鑑が見れなかったとき本気で悔しがって、どうやったらアニマルをキャッチできるか試行錯誤し、一生懸命キャッチしようとする姿。住民たちと会話し、彼らの日常や非日常に触れて一喜一憂する姿。主人公がテレビ画面からあの世界に入ったように、蘭たん自身もそうやってどんどん「moon」の世界に入っていく姿が、パートを跨ぐ毎に増していて。その姿そのものがラブに溢れているなと思った。

　一貫して主人公のセリフなどがないことにより、プレイヤー自身が主人公となりやすいゲームで、蘭たんがピースがぴったり当てはまったかのように、製作者が思い描いた通りのように遊び尽くす姿は、何度見ても飽きない。

扉を開けるということ

　主人公はたくさんのラブを手に入れて、月へ向かう。ラブで扉を開ける、逆に言えばラブがなければ扉を開けることはできない。扉を開けるということはすなわち「ゲームをやめる」ことで「ゲームの世界を、住人たちを解放する」ことである。彼らから目いっぱいのラブを受け取ったのであれば、その選択ができるだろう、ということなのかなと個人的に解釈している。

　けれど、あのラストのシーン、自分が扉を開けられないことで住人たちやアニマルが勇者によって基盤にされ、自身もやられてしまう。そんな状況ならなおのこと彼らを救ってあげたいと、ここで負けるわけにはいかないと、CONTINUE?と聞かれてYESと答えてしまうのではないだろうか。
　たぶん自分ならそちらを選んでいる気がする。愛着が湧いていれば、ラブを得ていればこそ、逆に彼らを救えない道を選んでしまう。改めて、皮肉の効いたゲームだなと思うと同時に面白いゲームだなと思う。

　蘭たんは一発で「NO」を選んだ。きっとねるねるたちがしきりに「扉を開けて」と繰り返していたのをちゃんと覚えていたのも理由だと思うけれど、約3ヶ月間かけて楽しみながら、時に苦戦しながらあの世界を駆け回った蘭たんだから、ぱっとあの選択ができたのかなと思っている。

勇者とプレイヤー

　蘭たんは『届け、かゆいところ。』と称した番外編でmoonについて色々と語ってくれている。シリーズを見終えて、視聴者自身もどっぷりとmoonの世界に入り浸り、エンディングを見終えたあとに、こうしてプレイヤーもとい蘭たんの考えを聞かせてもらえるのはすごく贅沢だなと感じた。

　その中でも「勇者のラブ」については、やはり外せない話題だと思う。蘭たん自身が描いたエンドカードの話題から「勇者が救われなかった」「ずっと一方的に被害者だった」「勇者のラブが手に入るイベントも欲しかった」と語っている。
　それに関して、透明な彼が主人公でプレイヤーの写し身であると同時に、勇者もまた主人公でプレイヤーの写し身であり、このゲームをプレイして、物語を通して様々なラブを受け取り、扉を開けることのできたプレイヤー自身からラブが出ていると個人的に解釈している。愛のビッグバンに到達したプレイヤーなら、目には見えずとも、イベントなど発生しなくとも、その心にしかとラブがあるだろう。

　多くの人間がそれまでの人生でプレイしてきたゲームで、無意識に、無慈悲にモンスターを倒し、経験値を得て、ゲームの進むがままに魔王を倒してハッピーエンド、といった経験をしたことがあるだろう。
　そんな自分を「白羽の矢で理不尽に選ばれ、鎧に身を包み、自意識を亡くし、ただ与えられた役目を果たさんとするだけの勇者」の姿に当てはめれば、筆舌しがたい気持ちになることだろう。

　自分の操作している透明な主人公に感情移入をするのはもちろん、勇者にも感情移入ができる。彼の気持ちがゲーム内でわかることはないが、わからずとも自分自身が一番良く知っているのではないだろうか。彼はプレイヤー自身なのだから。そして同時に、このゲームを終えたプレイヤーなら、自分自身がラブを手に入れている、それは勇者がラブを手に入れているのと同じなのではないかというのが個人的な解釈である。

　故に蘭たんも、ゲームを終えた頃にはビッグバンレベルの愛をその手に抱えているのだ。視聴者の間で「蘭たんはmoonで人の心を手に入れた」などと言われることもあるが、あながち間違っていないとは思う。moonをプレイして、あの世界の住民たちやアニマルたちから確実に、たくさんのラブをもらっているからだ。

　とかとかなんとかごちゃごちゃ書きましたが！まだ蘭たんのmoonの良さの1％も書き表せていない気がしています。もっともっと言語化できていない魅力がいっぱいある。でもなんだか、全部きれいに言葉にできるのも違うようにも思えて。言葉にできない感情というのもまた素敵だと思っているので……。
　ただ人に魅力を伝えるにはどう足掻いても文字や絵などの出力をしなければいけない。なので拙いなりに色々書きました。いつかもっとちゃんとプレゼンできたらいいな。
　よかったらみなさんの思うmoon及び蘭たんのmoonの良さ、魅力を教えて下さい。飢えてるので……。DMでもマシュマロでもリプライでもなんでも……。いつでも待ってます。

　ここまで読んでいただきありがとうございました！