#2「潤滑油」について
「私は潤滑油のような人間です」
コピペのような就職活動が蔓延する中で、皮肉をこめたワードとも言えるのがこれだろう。
別に潤滑油が悪いわけではない。潤滑油はいい仕事している。特に歯車系の機械において。むしろ最初に「潤滑油」という比喩表現を用いた学生はきっといいところに就職できたんじゃないだろうか。
弊社の採用面接を担当するようになって随分経つ。もちろん私は人事ではないのだが、弊社では現場の人間が一次や二次の面接を担当し都度1/3程度の人数に絞られていくのだ。仮に1/3残すのであれば、2500人程度が面接に進んだとしても5回の面接で10人にまで絞ることができる。
この面接でのノウハウについてはいつか触れるとして、話を「潤滑油」に戻そう。
「あなたをモノに例えるとしたら何ですか?」の答えが「潤滑油」である。その答え自体は先述した通り決して悪いものではない。むしろ”なんとなくいい感じがする”。
ただ、ネットで「潤滑油」がネタされるように使い古された表現&手法であり、昨今では量産型の潤滑油になってしまう。
私がもしこの「潤滑油」を強制的に使わないといけない場面が訪れたら、こう解剖するだろう。
①どのような効果効能があり
②どの組織のどのパーツを動かす
③そのためにどういう手法をもって生まれてきた
④おねだん以上に価値のある
潤滑油です。と。
あなたがジェットエンジンだとして、自動車用の潤滑油使ったら純度が低すぎて事故が起こるし、逆だったら揮発性が高すぎて事故になってしまう。
そんな、企業の適材適所(あるいはニーズ)に合わせ、自分を上手くプレゼンする方法を探してみよう。
練習する方法は簡単。
「あなたはどんな潤滑油ですか?」
質問してくる企業のニーズに合わせ、これを考えてみよう。
本番で使っちゃだめだよ。