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あやかんは「理解あるおじさん」を手に入れたけど長続きしないだろう【あいの里2】
あいの里2はあやかんとギタりんの物語だった。
否、そうやってクライマックスを盛り上げなければ番組が成立しなかったのではないかと勘繰ってしまう。
あいの里2は番組内でも番組外でもツッコミどころが多かった。
パチゆみが番組内でシンデレラのように持て囃されたのは気になった。どうせ、藤田ニコルのお母さんでなければ「説教くさくてがさつで論理が通ってないおばさん」として編集されただろう。
アロマは番組内ではクールでスマートな経営者とされていたが、初回登場時から某秘密基地で大人のマッサージをしていることがバレたので、本編に出てても「この人に3万円払ったらホテルで×××できるんだなあ」と思ってしまった。
マキオの暴露もよくわからなかったし、たみフルの過去も気になってしまった。
最終回のスタジオトークではヤギが死んだことは触れられなかったし……。
「卵子凍結や癌のトピックで命について考えさせられた」ってベッキーは言ってたけど、だったらヤギのことも言及するべきだと私はイライラした。
そんな中、初期メンのあやかんとギタりんの二人は作品を通した成長が見えたし、番組中に毎度毎度トラブルを起こしていて印象が強かった。あいの里2製作陣は彼と彼女の物語を軸にして進めていくと決めたのではないか。
実際、その二人が甘くて切ないエンディングを迎えるのは意外性があった。概ねネットの意見も肯定的だ。
しかしメンヘラ歴十年以上のアンナは、最終回の告白の翌朝のあやかんからの返事のシーンを見て「うぐぐぐぐぐぐ」と呻き声をあげてしまった。
これは純愛なんかじゃない。ただの性欲で動かされているおじさんと、愛情を搾取する女の醜い戦いだ。
あやかんに言いたい。
人の好意をそういうふうに利用しちゃだめだよ!
あやかんは「一生友達でいたい」と言っていたけど、ギタりんの気持ちはどうなる?ギタりんはラストシーンでハグを断ったように、最初から「女」としてあやかんを見ていた。
あやかんに与えている愛は「親から子供への無償の愛」ではなくて「男から女への愛」である。それを勝手に友情のように解釈をして、「愛される私!」にきらめいてノースリーブを着られるようになるのは彼女の物語になりすぎている。
「あいの里2」を通して、あやかんの思い込みの激しさや的外れの繊細さにムカムカしていた。そういう友人がいてとても面倒くさかったからだ。
よくもパチゆみを目の前にして「太るのが怖い」って言えるな〜とか
パチゆみがタナさんと向き合うと宣言したすぐ後にタナさんを呼び出すよな〜とか
隊長に告白された後のニノをジド目で見るよな〜とか
自発的に行動して自分から鐘を鳴らしている人を見ながら「私は誰からも選ばれない……」っていうよな〜とか
本当はとてもスレンダーで、二の腕なんかもスッキリしていて、顔だって綺麗なのに、自己肯定感が低すぎて、でもある種すごくプライドは高いようで、すごくアンバランスな人だと思った。いつもこの世の中心が自分で回っているような考え方だと思っていた。この世で一番辛いのは自分でなければいけないとしているような気がした。
あやかんはカーストとか上下関係とか、人間同士の位置関係に非常に敏感だったので、唯一いつでも見下していいギタりんといる時は平穏でいられたように見える。
ギタりんは自分を脅かさないから、友情が築けたのではないか。
番組後にもあやかんが友情を貫こうとしていても、ギタりんはエロおやじであることは変わりないのだから、いつかぬいぐるみペニスショックが起こるのではないか。
ギタりんだってペニスはついている。
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共同生活のおかげで家事ができるようになったのは素晴らしい。ギタりんのおかげでノースリーブが着れるようになったのは……どうだろう。
いつかあやかんが「ギタりんって性欲から自分に言い寄っていただけで人間愛ではなかったんだ!」と気づいたとき、その肯定感がしゅわしゅわと萎んでいかないかが心配だ。
「女としての資本」を使って男性から好意を持たれ、自己肯定感をあげていくという手法は、数多のメンヘラや夜食系の女性がやっていることであり、付け焼き刃である。
あやかんがこのまま隠れビッチにならないかが本当に心配だ。
自己肯定を他者(=ギタりん)に委ねてはいけない。
あやかんが、自分で自分を肯定できるようになる画が見たかった。
隠れビッチ#とは
男にチヤホヤされることで自分を満たしていた著者が、本当の自分を取り戻すまでの10年記。あなたの周りにもいるかもしれない“隠れビッチ”の生態をコミカルに描くだけでなく、“隠れビッチ”としてしか生きてこられなかった主人公が、自信のなさやコンプレックス、毒親との関係に必死で向き合う姿を描く。笑えて、苦しくて、やっぱり笑えて、ラストの切なさに身もだえる実話コミックエッセイ。
それにしても、多感な時期にいじめられたというのは辛かったと思うが、お弁当を用意してくれる優しいお母さんがいて、「無償の愛情を注いでくれるのは家族以外で初めて」という発言にもあったように親からは愛されていたというのに、何をそんなに愛着に問題があるのだろうか。
最後に、「あいの里2」のまとめをする。
食費は安すぎたし、リフォームのくだりは必要だったか?
共同作業をして恋を盛り上がらせようとするはわかるけど、番組で一瞬しか映らなかった露天風呂の材料費の分を食費に回してあげて欲しかった。困窮しながら畑仕事をする40.50代を見ていたくない。もっと肉を食わせてたらガツガツ行っていたんじゃないのかな?なんて。
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