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航海中に遺言を遺したい事態が発生したら?
船を見るたびに、連想することがあります。それは民法の2つの条文。遺言に関する条文です。
前回、遺言書には「普通方式」と「特別方式」とあると書きましたが、船に関する2つの遺言は特別方式になります。
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航海中に遺言を遺したい事態が発生したら?
(在船者の遺言)第978条
船舶中に在る者は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
長期にわたる航海で、通常の遺言書を作成できない場合に利用できる遺言方式です。
もし、大型客船などで航海中に遺言を遺したい事態が発生したら、民法第978条に則って、遺言を作成することができます。立ち会いには、船長さんまたは事務員さんと証人2名が必要です。
人生、何が起こるか分かりませんので、このような遺言作成方法もあるということは頭の片隅に入れておきたいものです。
船が遭難した時の遺言
また、船が遭難した場合の遺言作成についても民法には定められています。この場合は、証人2名がいれば口頭で遺言を遺せます。緊急事態なので、口頭でもOKとなっています。
(船舶遭難者の遺言)第979条
船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。
口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。
前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の1人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
第976条第5項の規定は、前項の場合について準用する。
緊迫した状況ですが、署名・押印は必要のようです。証人の方も命がけの遺言立ち会いです。「すみません、私、避難したいのでもういいですか?」と言ってしまいそうです…。
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