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クラフトビールの免許は相続できる?
クラフトビール誕生の歴史
突然ですが私、ビールがすっごく好きです。趣味の一つです。現地でその場所のクラフトビール(地ビール)を飲むのは最高です。
日本には大手のビールメーカーのほかに、クラフトビールのメーカーもたくさんあります。小規模なところが多いのですが、実はこのクラフトビールのブルワリーが全国にたくさんできたのは30年前からということをご存知でしょうか。
それまでは、ビールを造る免許を取得する際の条件である「年間最低製造量」のハードルが高く、ビール業界大手以外は日本ではビールを作っていませんでした。1994年に酒税法が改正され、年間最低製造量が2,000キロリットル⇒60キロリットルに大幅に引き下げられたことより、小規模業者でも市場に参入することが可能になりました。
余談ですが、1994年にちょうどお酒が飲める年齢だった20歳が今50歳。クラフトビールのフェスティバルなどに行くと、50歳という年齢の方がすごく多い気がするのは、この規制緩和に関係しているとの説を聞いたことがあります。クラフトビール愛好者50歳説。
酒類製造・販売業免許の相続
さて、おかげさまでクラフトビールがたくさん飲めるようになったのですが、ビールを作りたい・作ったビールを販売したいと思った時に取得する「酒類製造・販売業免許」について考えていて、ふと疑問が浮かびました。
免許を取得した人が亡くなった時、その免許は相続できる?
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相続について
相続は、相続が始まったときから、亡くなった人の一切の財産を相続します。お金などのプラスの財産を相続するほか、借金などのマイナスの財産も相続します。
ほぼ全てのものを相続するのですが、厳密に言えば相続できないものもあります。免許証とか資格などの「一身専属権」です。その人自身に与えられたもので、自動車の運転免許や国家資格などが該当します。弁護士の父がいて、その免許を相続できたらとても嬉しいのですが、そのような資格や免許は相続することができません。
では、「免許」という名前がついている「酒類製造・販売業免許」は相続できるのでしょうか。
調べてみると、国税庁のHPにありました。「酒類製造・販売業免許」は手続きを行い、審査がOKであれば相続できるようです。
結論:クラフトビールの免許は相続できます(良かった)
【酒類製造・販売業免許関係(共通)】
Q6 酒類製造者(酒類販売業者)が死亡し相続人が酒類製造業(酒類販売業)を引き続き行おうとする場合には、どのような手続が必要ですか。
A 酒類製造者(酒類販売業者)につき相続(包括遺贈を含みます。以下同じ。)があった場合において、引き続きその製造業(販売業)をしようとする相続人(包括受遺者を含みます。以下同じ。)は、遅滞なく、その旨をその製造場(販売場)の所在地(販売場がない場合には、相続人の住所地)の所轄税務署長に申告する必要があります。
相続の場合には通常の新規申請の場合に比べて要件が緩和されており、相続人が酒税法第10条第1号から第3号まで及び第6号から第8号までに規定する者に該当しないときは、その相続人は、その相続の時において、被相続人(包括遺贈者を含みます。)が受けていた酒類の製造免許(販売業免許)を受けたものとみなされます。
なお、相続の申告手続については、「酒類等製造業又は酒類販売(販売の代理・媒介)業の相続の申告手続き」をご覧ください。
根拠法令等:
酒税法第10条、第19条
法令解釈通達第2編第10条、第19条関係
★どんなものが相続できるのかな?って普段から考えてしまいます。
・亡くなったら残高は消える!?電子マネーの相続
・PayPayの相続
・Vポイントの相続
・マイルの相続
★4年前の今日(2020年7月10日)スタートした「自筆証書遺言書保管制度」
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