もう1匹いた
母が昔住んでいたマットレス事件の家の話。
母の家は皆猫が大好きで、猫をずっと飼っていた。
多かった時は3匹ほど同時に飼っていたらしい。
その猫を多く飼っていた頃に件の家に住んでいた。
母は猫に餌をやる時、毎回なんか数が多い気がしていたらしい。
トラにシロにブチ…と他にもいる気がする。
ところで、昔は写真を撮る時はフィルムカメラなので、当たり前だが撮った後に画像はすぐ見られなかった。
だから写真屋さんからネガと写真が来た時に、なんか写ってる!と騒動になる。
その家で写真を撮ると高確率でなにかしら写るので、ヤバそうなやつはさくさくと処分をしていたそうだ。
ある時、祖父が写真を見ていると「家に黒猫なんていないよね」と母に問うてきた。
オイオイしっかりしてくれよ、と母は思ったらしいが「うちにはトラとシロとブチしかいないよ」と答える。
「じゃあ野良猫かなぁ、でもうちの中の写真にもたまに写ってるんだよね」
なんの話だ、と思い写真を見せてもらうと確かに、黒猫が端っこにちんまりと写っている。
コイツだ!と母はピンと来たらしい。いつも餌の時間に猫が多い気がする理由はこの黒猫だ!と。
他にも写ってる物があるらしい、と見てみたがどうやら同じ猫のようだ。
それからは幽霊猫でもお腹はすくのか、と母はちょっとだけ小皿に餌を取り分けておいてやるようになったそうだ。
この猫はこの家に憑いていたようで、引っ越した後の写真には写らなかったという。