副業により1億総貧乏時代へ突入
最近働き方革命によって副業解禁の流れになりつつありますね。
ソフトバンクやロート製薬などなど様々な企業がその流れに乗りつつあります。
明言はしていませんが、僕の会社は副業NGです。いま明言しました笑
というか、副業やっている余裕はありません。たぶん自分の仕事で手一杯になるくらいに人が少なくて、一人が負う責任は大きいので、副業は実質無理でしょう。やれるとしたら多少メルカリで売り買いするくらいでしょうか。
僕の考えは、副業はするべきではない、です。
理由は、2つあります。
1. 仕事はそんなに甘くない
2. 今の仕事に集中したほうが良い結果を招く
副業をどこからどこまでとするのかにもよりますが、そもそも仕事はそんなに甘くないです。いや、実際は甘いんですけど、片手間でできるほど甘くはない。
よくニュース記事に、「副業はカメラマンがいいぞ!」というのを見ます。
ウェディングのカメラマンだと日当3〜5万円くらいもらえるから副業にはもってこい。らしいのですが、じゃあこれをやろうとすると、打ち合わせあったり、納期もあったり、当然品質は保証されなきゃいけないしと、じゃあ明日からやってみよ〜という簡単なものではないのです。やるとしたらそれなりに勉強をして、カメラマンデビューまでにある程度の時間を投資しなければなりません。まぁそのあたりは好きなら良いんでしょうけどね。
で、ここでいちばん重要なのは、ライバルがいる、という視点です。
ライバルとは競合他社のことです。競合は同じ副業カメラマンかもしれませんし、はたまたプロかもしれない。それらに勝たなければ受注をすること、あるいは継続して仕事をもらうことはできません。
当たり前ですが、自分よりも早くて良い品質で感じが良いところが出てきたら、間違いなくそっちに頼みますよね。当然プロは日常的にそれを業務にしているわけで、当然早くて上手いのが当たり前。それを凌駕するものがなければ普通にやっても勝てません。
そこで副業だから、という理由で金額が安くなって受注できる流れになるんですが、ここに罠があります。
まず、安い金額で受けていると、そのレベルの仕事しかこなくなることです。
まぁ少しでもお小遣いになればいいやって感覚でやっているので、そのへんは許容されると思いますが、ここからどうなるかっていうと…。
・安い金額で受ける副業カメラマンが増える
・中途半端な金額でやっていたカメラマンの仕事が奪われる
・副業カメラマン→仕事増える 中途半端カメラマン→仕事減る
・中途半端カメラマンが値下げをして、副業カメラマンゾーンに入り込む
・安い金額のカメラマンゾーンが激戦に! 当然クオリティや対応力の差でプロカメラマンが仕事を取っていく
・副業カメラマン→仕事減る プロカメラマン→仕事増える
・副業カメラマン→辞める人増える プロカメラマン→単価が安いので食べられず副業を始める
・単価の安い市場の出来上がり
たぶんこういう構図になると思います。
つまり、副業するということは業界を殺すことにつながるんです。
これはデザイン業界に起きていることです。(どこの業界にも起きてるけど)
いまクラウドワークスなどのクラウドソーシングが流行っていて、中途半端なデザイナーはまさにこの流れに飲み込まれてどんどん廃業しています。廃業しているのは広告代理店もそうです。つまり、デザインの仕事の単価が崩壊して、中途半端な人たちにとってはとてもビジネスにならなくなっているんですね。
まぁ時代の流れなのでこれ自体が良い悪いではないと僕は思っています。これを知って、どう対策するかが重要です。
ちなみに、業界が死んでしまうとどうなるか。むしろ、副業が増えるとどうなるかを予測します。
先のカメラマンの話と同じですが、結果的に業界の単価が安くなって、みんなが貧乏になります。
そもそも、副業する人ってどういう人かって言うと、ほとんどが若い人だと思うんですね。若くてやる気があってそれなりに時間がある人。つまり、本業の方ではそんなに稼ぎのない人。工場で働いている人とか。ちなみにお金を持っている人は副業なんてしませんよね。
僕が今まで見てきた経験から、やっぱり若いほうが色々やりたがる人が多く、年をとると色々諦めて何もしなくなる人が増える傾向にあります。たぶん副業はこの流れに当たります。
ということは、普段稼げない人が副業をやってまたあんまり稼げなくなり、カメラマンも稼げなくなり、稼げない人がどんどん増えていく構図ができあがります。
むしろ副業の方は、副業をやめればいいので、カメラマンの業界だけが破壊されてしまったということにもなるでしょう。
なので1億総中流、というよりも、1億総貧乏、とまではいかないけど、そんな流れになるでしょうね。
だからどんどん貧乏人が増えて、結果的に結婚しなくなったりして、まぁなんだかんだでやっぱり1億総中流なんでしょうか。
だから僕は副業には反対なんです。
副業するくらいなら、会社を立派に成長させて、会社が上に行って、より稼げるようにするしかないんです。
といっても中小企業にはそういう副業という概念はおそらくなくて、大企業だけの話だと思いますけどね。
で、僕はこれは大企業の戦略だとも思っています。
中小企業がしのぎを削る業界に、副業という歩兵をたくさん放ち、業界を破壊して、おいしいところは大企業が総取りする。
僕はこれが真実だとわりとホンキで思っています。
その流れに飲み込まれないように舵取りをしなければならないですね。むしろそれを逆手に取りたいと思っています。
じゃあどうしたら勝てるのか、の話はまたいつか。