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なぜ当社は人が辞めないのか?

当社、維新エンターテインメント株式会社は24年4月現在、正社員6名、アルバイト14名の小さい会社です。
2017年10月に1人目の社員が入社し、そこから今日に至るまで正社員は誰も辞めることなく増え続けていきました。
つまり約7年間で正社員の離職率0%の会社です。
当社は恥ずかしながら高給なわけではありません。給料は会社の粗売上によって変動する形態をとっており、会社の粗利益が高ければ高い給料を払い、低ければ最低限の給料しか支払われません。良い時は良い、悪い時は悪い。悪いと言っても過去にはひどいときには基本給15万まで落ちる時がありました(手取り9万円くらい…)。だけど、そんな苦しい状況でも誰一人として辞めることなく、いまも一生懸命働いてくれています。
なぜ当社はこれほどまでにエンゲージメントが高いのか。それを考えてみたいと思います。

その理由を一言で言うならば、一言で言い表せません(笑)。
色々考えてみたのですが、例えばある一つのことをやったからといって、それだけで離職率0%を実現できるほど単純ではないということです。
ただ、行う施策は色々ありますが、それをなぜ行うのか?その根本の理由は一つに行き着くと思います。
それは、「理念」です。
「理念」が良い悪いの話ではありません。「理念」を真剣に体現できているのか。それに尽きると思います。
「私達はこの理念のためにやっています」という意識の共有が完全になされているかがとても重要で、そのシンクロ率がエンゲージメント率と重なるのではないでしょうか。
当社の場合、理念は「ENJOY」です。
まず自分が楽しむこと。そして相手を楽しませること。相手は一緒に働く仲間だったり、お客さんだったり。そして相手が楽しくなれば、その楽しいが伝播し、会社が、地域が、社会が楽しくなっていく。これが当社の理念です。
だから一にも二にも「ENJOY」なんです。それは楽しいか?楽しめるか?それを常に自分に問うて、相手に問う。
ではその理念を叶えるために何が必要か。それを真剣に考えた結果、以下のようなことを打ち出しました。
行動規範は「自律」
自律した人間でないと本当の「ENJOY」は得られないと考えました。
なので当社では「自立した人間になろうね」と口を酸っぱく言っていますし、それを実現できる施策をいくつも考えて実施しています。
例えば・・・
・仕事する場所自由
・出社しなくてもOK
・いつ仕事してもOK
・日報なし
・休みの規定なし(いつ休んでも良い。報告もいらない)
会社の規定はすべて自由なんです。
これを今の学生に言うとめっちゃ引かれますが(笑)。
ただ、なぜこれを決めたのかと言うと、自律した人間になってほしいから。引いては、一度きりの人生を思いっきり楽しめる人間になってほしいから。そのためには必要なことだと思ったから実施しています。
実際問題、労基上これはとても良くないことです(笑)。これは社員の理解がないとできません。一人の社員が、これはおかしい!残業代払え!と労基に垂れ込んだら終わりです(笑)。でも私はこれが正しいと強い信念を持ってやっています。自分の人生は誰かに命令されて生きる人生じゃないはずです。自分で選んで、自分で歩んでいく人生。それをより良いものにするには、自分で考える癖をつけないといけないと思います。良い人生の実現のために、仕組み化しただけです。これはまた別の機会に話すかもしれませんが、そもそも労働法の仕組みがおかしいと思っています。どうもロボットを製造しようとしているとしか思えないし、本来幸せの追求のための仕事だと思うのですが、どうも現行法だとそう思えない仕組みに思えます。なのでうちの会社は勝手に変えてます(笑)。
でも、そのおかげもあってか離職率0%を実現できていますし、社員みんな楽しそうに仕事をしています。とても嬉しいことです。

他にも施策はあります。
・心の勉強会(毎週)
・ブレスト会議(毎週)
・エンタメ研修(月1回)
これらはレギュラーでやっていることです。これをやる理由も、自律した人間を育てたいからです。
どうしたら自律した人間になれるか。それは「自分の頭で考えられること」。また、「強い心を持つこと」だと思っています。ただ、それを口で言っても頭も心も良くなりません(笑)。それらは学ぶことでしかものにできないのです。特に心の教育は、私達世代はほとんど希薄になってしまいました。本当に大事なのは勉学よりも道徳だと思います。それを教わっていないのは非常に残念なことであり、大人こそ急務に学ぶべきことです。なので当社では心の勉強を無理矢理させています。といっても難しいことをするわけではなく、課題図書を読み、感想を言い合うだけのものです。でも、これだけのことで心が強くなるし、社員同士の意識がまとまります。

あとはよく言われることですが「透明性」も大事にしています。
週次で「戦術会議」という全体会議を行っています。そこでは現在の売上・粗利を公開し、現在の仕事の進捗などを報告し合います。
また、人事評価については360度評価で、社員が社員を評価する仕組みを採用しています。その評価値によって給料が変わる仕組みになっており、半期に1回査定をして給料も半期に1回変わります。
また役職などはありません。フラットな組織で運営しています。
できる限りフェアな状況を作りたいと思い、上記のような施策を行っています。

最後に、たぶんこれがいちばん大事なのかもしれないことですが、対話を大事にしています。つまりコミュニケーションです。
最近思ったのですが、当社は社員同士の対話の機会が非常に多いことが分かりました。上記にある勉強会もそうですが、研修も月に1回は行っており、またリモートワーク主体なので、できるだけコミュニケーションを密にしないとミスが起こるので、頻繁にディスコードなどで社内ミーティングをしています。もしかしたら社内ミーティングの頻度は他社と変わらないかもしれませんが、その下地である雑談とか心の勉強とかのコミュニケーションがあるから、仕事のしやすい環境が作れているのかもしれません。
また、私自身も社員との対話を大事にしています。
個人的な趣味で料理が好きで、会社にキッチンを作り、社員のみんなに昼夜飯を作って振る舞っています。毎日一緒にご飯を食べていれば、それは仲良くなるよねって思いますよね。
半期に1度は個人面談を行い、みんなの悩みを聞いたり、課題に寄り添ったりしています。また、普段の業務でも相談事があれば何でも聞きますし、できる限りのことはサポートする姿勢でいます。自分の仕事よりも、社員の会話のほうが最優先だと思っています。それがもしかしたら信頼につながっているのかもしれません。

ある本では、社長が社員のことを大事に思っているから社員が信頼して辞めない会社になる、と書かれていました。
自分の意識としても、一番は社員を幸せにする、という使命を持って仕事をしています。心の勉強会の教えに「目の前の人を幸せにしなさい」とあります。私にとっての目の前の人は「社員」です。なので社員を幸せにするために全力を尽くそうと、それを使命に生きています。その意識が、もしかしたら離職率0%の会社を生み出しているのかもしれません。自分でそう言うと手前味噌でゾワゾワしますけど(笑)。でも客観的に見て、そういう社長だったら社員も嬉しいだろうなと思います(笑)。でも自分ではそう思っていても、社員に伝わっていないかもしれないですけどね。と言いながら離職率0%という結果が出ているから伝わっているのかもと思ったり……(笑)。

ということで、自分の会社の施策を交えて、辞めない会社について考えてみました。もっとクリティカルな内容があるかもしれませんが、おそらくこの手のものは複合的なのと、根っこの理念の体現が一番大事なのだろうなと思います。

また組織について色々考えてみたいと思います。


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