スタバvs.コメダ コーヒー頂上決戦/週刊東洋経済2019年4月20日号
身近な存在、スタバとドトールの比較記事が面白かったのでシェアしたいと思います。
いまコーヒーチェーンで一番店舗数が多いのがスタバ。その数は1415店舗。2位がドトールの1111店舗。そして3位がコメダの828店舗。
ドトールは出店の勢いが近年はそれほどなく横ばいが続いているそう。対してコメダは毎年50〜70店舗出店を続けているようで、2位に躍り出る日もそう遠くないようです。
スタバとコメダ、行ったことがある人なら分かると思いますが、両極端なんです。スタバはセルフ式に対して、コメダはフルサービス。店員さんがいちいち席に来てくれます。そしてスタバはフードがあまりないけど、コメダは充実してる。あと、個人的に思うのは回転率。スタバはさっさと帰る、あるいは持ち帰りがある。コメダはダラダラ長くいる。静岡のコメダも平日にもかかわらずたくさんの人で賑わっていて、みんな一体普段何をしている人たちなんだろうって僕はいつも訝しんでいます。
でも両店とも人気店。これほど対極にありながら売上をどんどん伸ばしていくってことは、セルフとかフードとかそういう小手先のことじゃない何かが成功の秘訣なんだろうなと思います。
それはこの記事を見るとなんとなく透けて見えてくるような気がしました。
さて、僕が気になった箇所を引用して見ていきたいと思います。
コメダを代表とするフードメニューが充実し家族でも楽しめるチェーンは競合が少なく、まだまだ成長余地がある。
僕自身も将来レストランとかカフェとか、飲食系の何かをやりたいなぁなんて思っているので、この手の記事には反応してしまうんでしょうけど、家族が楽しめるチェーンが少ないってのはいいですね。最近ウチの会社のターゲットは子どもなので、家族で来て楽しいお店ができる余地があるのかもしれない。
国内のコーヒー市場は拡大傾向にある。コーヒー豆の国内消費量は1996年の35.2万トンから2018年の47万トンへと、約1.3倍に増加している。
カフェもさることながら、コンビニコーヒーが大きいですよね。
そういえばコンビニの生ビールってどうなったんだ?
店舗デザインや接客を軸に、「特別な空間」を演出することが、スタバの一貫した戦略でありブランド価値だ。
スタバは昔から言われてますよね、接客が特徴的だと。マニュアルがなくて、お客さんとの距離がやけに近いことで有名。かくいう僕もスタバに行って急に店員に話しかけられてしどろもどろになったことがあります。コミュ障にはキツい場所かもしれません笑
スタバJはやみくもに店舗網を拡張しているわけではなく、店舗ごとに特色を出す戦略をとっている。その最たるものは、同社が「リージョナルランドマークストア」と呼ぶ、地域特性を活かした店だ。
静岡でも、藤枝店なんかは、蓮華寺池公園という場所に面しているとてもロケーションが素晴らしいお店があります。あれなんかはリージョナルランドマークストアなのかな。しかし考えてみると、静岡への出店も相次いでいますね。最近も2店舗もできたし。郊外型も増えていて、勢いの凄さを感じます。でも店舗自体は、前に愛知で立ち寄ったスタバそのままの店舗デザインだったりと、流用できるものはしている感じ。つまり、目立たせる店舗は目立たせて、そうじゃないところはそのままでって感じなのかな。
東京に新たにできた旗艦店「スターバックスリザーブロースタリー東京」なんかまさにそれで、目立ったカッコいいやつに憧れを抱かせて、スタバのブランド価値を上げさせるって戦略なんでしょうな。だからロケーションのいいところなんかは死守したいのかもしれない。昔富山に旅行した時も、公園に設置されたスタバが名物で、観光名所が殆ど無いもんだから、観光ガイドブックにもでかでか乗ってるし、それを考えたら広告宣伝費なんてかけなくてどんどん宣伝してくれるんだから、頭いいよね。実際にスタバは広告宣伝費はかけないことで有名らしい。なんか頭の良さを感じますね。
スタバのブランド力の要となるのが、接客力の高さだ。
先程も書きましたけど、スタバといえば接客ですよね。このブランド力ってマジですごいと思う。接客に自信があるお店って言えるのがすごいし、そういう風にいえる店なんて殆ど無いから一人勝ちなのかもしれない。
飲食業って僕はもう接客でしか差別化できないと思うんですよ。むしろ、そこがすべて。なのにそれを怠ってやろうとしないんですよね。静岡なんか本当にサービスのレベルが低いと思う。もう一度行きたい店なんて殆ど無い。それは美味しさだけじゃなくて、気持ちよさが足りないなぁといつも思ってる。でも考えてみたら、その接客レベルを高めるっていうのが実はめちゃくちゃ難しいことなんじゃないかって思ってきた。普通の人はできないんじゃないのかな。そう考えるほうがすごく納得がいく。だからこそ、そこにビジネスチャンスがめちゃくちゃある気がするんですよね。
僕、いつも思うけど、ガソリンスタンドがセルフばかりになって、逆にセルフじゃないお店ってすごくチャンスだと思うんですよ。接客レベルをマックスに上げておけば、多少高くても(といってもリッター2円とかのレベルでしょ?)気持ちいいお店に行きたいし、サービスがいいところに行きたいって思うじゃん。たぶんそういう層がどんどん増えてくるから、サービスの質はすごく重要になると思うんですよね。
先日書いたAIの話もそうだけど、結局は人のサービスでしか生き残れない時代が来るんだから、これからそこにフォーカスしていかないと危ないような気がするんだよなぁ。
そういう意味でもスタバは昔から人間の本質的な部分を理解して、接客やコミュニケーションを高めているのはすごいことだと思う。そのやり方って真似できそうでできないよね。だってマニュアルがないんだもん。それって痛快だわな。
あくまで人を中心にした「体験」を売る会社だ。(スターバックスコーヒージャパンCEO水口貴文)
モノ消費じゃなくてコト消費ね。それを念頭に置いているか、いないかで、ブランドっていうのは変わっていくし、一挙手一投足に現れていくんですよね。体験を売る会社。僕も真似したい。
■コメダ珈琲
地元に精通したオーナがー大きな裁量を持って店舗運営に当たることが、きめ細かなサービスに繋がっている。
コメダの記事になりますけど、結局はサービスなんですよね。コメダはほぼフランチャイズなんですけど、オーナーの裁量がめちゃくちゃあるみたい。売上に対するロイヤリティではなくて、固定のロイヤリティだから、売れば売った分だけ自分の利益になるのも良いらしい。販売価格も最低価格はあるものの自分で決めていいそう。だからサービスにも力を入れられるんですよね。この部分はスタバと共通するところですよね。
「一国一城の主であるマスターがいて、その人が毎日地元密着の揺るぎないオペレーションをしてコーヒーを淹れていれば、必ずお客さんはまた来てくれる」
要するに、サービス至上主義、なんだと思うんですよ。コメダも。
だからこれだけ支持されている。
見た目ダサいけど、結局そういうことじゃないんだよね。だってかっこいい店もどんどん潰れていくし。逆に汚い大衆居酒屋とかスナックってずっと生き残ってますもんね。
いかにサービスを上げられるか。そういう土壌を作ることができるのか。それが飲食店(だけじゃないと思うけど)の鍵なのかなぁ、なんて思った記事でした。
勝手に働く人がいいサービスをしたくなるような仕組みづくり、を考えるのが経営者の仕事かなと思いました。そこって、本質だよなぁ。金でもないし、やりがいでもないような気がする。本当に楽しく仕事できる、ってなんだろう。まずはそれを考えることが、成功への道の第一歩なのかもしれないですね。