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第21回 ウランの変化を発見

ヒトラーが周囲に侵略を続けていた1938年12月、化学の分野でも最先端を行っていたドイツ・ベルリンの「カイザー・ヴィルヘルム研究所」で新たな発見がありました。
小柄な化学者オットー・ハーンは助手のフリッツ・シュトラスマンと共に見つけたのです。
「エンリコ・フェルミの論文『超ウラン元素の発見』の仮定の通り。ウランに中性子をぶつけると別の元素がいくつかできる!」
数年来の何百回もの作業台上の実験で、ハーンたちはバリウムなどが出るのを確認し、証明したのでした。

「最初はラジウムだと思っていたが、フランスのジョリオ=キュリー夫妻はまた別のものと発表しているようだが、こっちの方が正確だ!だけどリーゼに知らせなくっちゃ」
リーゼ・マイトナーは重要な仲間でしたが、ユダヤ人迫害を逃れるため、5ヶ月前にドイツを脱出したのでした。

当時の科学者たちにとって、天然元素の中では最大の元素番号92のウランより大きい「超ウラン元素」を発見できるかどうかが、最大の興味でした。それには未知のエネルギーがいっぱい詰まっていると予測されました。(続く)

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