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第56回 ローズベルト大統領の疑問

アインシュタインのサインが入った原爆を早く作らなければならないという手紙がローズベルト大統領のもとにやっと渡ったのは大戦は始まって翌月の1939年10月初めのことでした。
ザックスはシラードらに、ちょうど大戦が始まるところで大統領は忙殺されていて渡すタイミングがなかったと弁明しました。

そして手紙を読んだローズベルトは、アインシュタインにお礼の返信を出したものの、そんなに興味を示さなかったといいます。
調査報告を読むと、原料に何トンという大量のウランが要るし、それはとても重く飛行機で運べないものでした。
「空から落とせなくて、どうやって爆発させるのだ?」
ローズベルトは疑心暗鬼でした。側近で科学分野顧問のヴァネバー・ブッシュを呼んで尋ねると、
「原子爆弾ができる成功率はせいぜい10%でしょう」
という返答でした。(続く)

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