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第148回 兵庫県の闇

斎藤知事の去就、パワハラが話題となって久しいですが、私も拙著『原爆誕生と戦後』を巡ってはいろいろと感じる所がありました。
(1)あかし市民図書館の場合
今から2年前の5月に本ができあがり、神戸ポーアイの工場からそれぞれの図書館に寄贈していきました。工場から出したその日に、あかし市民図書館に寄贈しに行ったのですが、過去4冊の時と違って担当の中年の女の方がタイトルを見て、ぎょっとするのが分かりました。同意書を書いて下さいと言われ、「この図書館に全てを委託する」の所に署名していました。すると「この本は置かないかも知れませんよ」と3回も繰り返しました。不思議だなあと思いつつ、まさかと思っていましたが、2か月後、ネットで調べてどうも置いている気配がないので電話すると「ああ、あの本は置きません」「理由は何ですか?」「言えません」「分かりました。それじゃあ返して下さい」「返せません。同意書に書いてあるでしょ!」その
堂々巡りで私はその時は諦めました。すると事情を聞いた知人が何度か掛け合ってくれて市議の方まで動いてくれたのですが、「ダメだわ。同意書にサインしてるもの」って。そもそもサインしないと置けないのに。あと10館以上いろんな図書館に寄贈しましたが、全て快く受け入れてくれました。広島や長崎の図書館からはお礼状まで頂きました。
それから2年。映画「オッペンハイマー」が公開され、私の本も新聞に載ったり感激したという手紙も頂きました。図書館長が交替してというのを聞き、私が電話をすると図書館まで来てほしいと言うのです。
館長さんは体調不良で代理の方が応対してくれました。電話でも尋ねたのですが「あの本はまだありますか?」と聞くと「分からない」という事でした。対面してもう一度「あの本はありますか?」と聞くとやはり「所在不明です」との答え。『紛失したのか』と思ってると、「もう1回、同意書を書いて貰えますか」との要求です。「今度は必ず置いて貰えるんですか?」と聞くと「さあ、検討するので置かない事もあります」とのふざけた答え。「大体どうして前回落選したんですか?」と聞くと「申し上げられません」との答えでその時は決裂しました。一応リクエストカードに書いてくれという事で書いて帰りました。数日後電話がかかってきて「購入する事になりました」という事です。思わず「有難うございます」と言ってしまいましたがよく考えたら向こうは1冊紛失している訳です。どうも言葉の端々から「上の人」がいて、何事もその上の人の許可がないと動けないという雰囲気を感じました。2年前「こんな原爆の本を置いたら叱られる」という忖度でもあったのでしょうか?明石市は「非核宣言都市」でもあるのに。
(2)兵庫県庁の場合
今から3年ほど前、県庁の文化部という所が、自費出版の方を応援するという事で10万円が何名かに出るというのがありました。私はもう2度頂いているのですが、今回も厚かましいとは思いましたが、写真等を使い費用が高くなりそうだというので申請しました。すると以前は1か月以上してから報告が来たのに今度は1週間ほどで電話がかかってきました。「えらく早いな」と思っていると、相手の女の方はとても言いにくそうに「今回は申し訳ありませんが、補助の対象にはなりません」との事です。私は当然「どうしてですか?」と尋ねると、「史実は入らないという事で」「でも今までも『平家物語』でも史実ですよ。それにタイトルとあらすじだけですけど」とまた何回か問答がありましたが、向こうはどうしても認めたくないという態度で、私は2度貰ってるし、断念しました。
しかし最近の知事の言動を見て、ひょっとしたら「こんな変なものを何で許可したんだ!」と一喝されたくないから忖度で落選させたのではないかと思いました。「原爆」という言葉はセンシティブで、映画の方もなぜか日本公開が8か月遅れました。アカデミー賞最有力というニュースでこれは公開されるなと思いました。絶対お客は入りますからね。
(3)教育界の問題
兵庫県だけがパワハラや忖度がある訳ではないでしょうが、私は30年以上前に県立高校教員採用試験の二次面接を忘れる事ができません。一次の筆記を通ったので情報を集めていませんでした。私は一問めに耳を疑いました。
「校長先生と貴方の尊敬する上司の先生が喧嘩を始めました。さて、貴方はどちらにつきますか?」これが教師を選ぶ質問?子供の喧嘩じゃあるまいし・・・私はその時とても世話になっている少し年上の先生を思い出しました。不幸な事に私は5人グループの先頭でした。「1番の方・・」「どちらにもつきません」と言ってしまいました。座っている教育委員会の方々は予想外の答えに驚いた様でしたが、私の隣に座っている髪の長い女の方に尋ねました。「2番の方」「校長先生です」・・・そして5番までいって全員が校長先生と答え、何ともう一度チャンスをくれました。「もう一度一番の方にお尋ねします。どちらにつきますか?」私は最初にどちらにもつかないって言ったのに翻すのも嫌だったので「どちらにもつきません」と繰り返しました。すると相手は「ああ、そうですか」と言って、恐らく私の所でしょう。大きく✖をつけたのです。
それ以降も私は組合活動をいい事だと言ったりしてとても心証を悪くしたのでしょう。予想通り不合格の通知が来ました。
その数年後、「県農入試解答改ざん事件」がありました。何と県会議員から頼まれた不合格の生徒の答案を校長室の金庫から出し、20代の教師2名が改ざんしていたのです。当然本来合格の生徒が落ちる事になります。内部告発でこれは明らかになりました。校長以下、実行犯の2名の教師も顔、実名とも晒されました。しかしずっと長年やっていたのではないかという疑惑が生まれたのでした。
兵庫県の闇はまだあると思います。一刻も早く改善してほしいですね。


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