第136回 最初の三巨頭会談
1943年11月、ローズベルト、チャーチル、蔣介石のメンバーでカイロ会談が行われました。
チャーチルは蔣介石を信用していませんでした。アメリカから多額の資金を応援して貰いながら、ほとんど私財に流用しているという情報がありました。
「あれでは中国を任せられない。人望がないから人民も付いてくるまい」
カイロ会談が終わって2日後、今度はイランのテヘランに場所を移し、蔣介石の代わりにスターリンが入りました。
チャーチルとスターリンは、ドイツの扱いについて激突しました。
スターリンは言いました。
「ドイツ人は少なくとも5万人は処刑しなければいけない。特に将校以上は全員だ」
それに対してチャーチルが反論しました。
「それは駄目だ。第一次世界大戦の後に憎しみの余りドイツをやりこめ、飢餓状態においたから、ヒトラーが現れ、また第二次世界大戦が始まってしまったのだ」
ローズベルトは仲を取り持つ様に言いました。
「それじゃあ、中を取って4万9千人でいこう!」
チャーチルはこんな時にアメリカンジョークを言うのかとローズベルトの方を二度見しました。ローズベルトは笑っていました。
チャーチルは、ローズベルトは共産主義のスターリンに好意を持っていると直感し、その気持ちを理解できませんでした。(続く)