第117回 レズリー・グローブスの任命
1942年9月、マサチューセッツ工科大学を出ていた軍人、レズリー・グローブスが陸軍マンハッタン工兵管区司令官に任命されました。グローブスは最初乗り気ではありませんでしたが、出世が遅いのを気にしていて、それを餌にハンティングされたのでした。そしてクローブスはすぐに准将に昇進しました。
その後の科学者たちとの顔合わせで、早速グローブスとシラードは衝突し、やり合いました。お互い我が強く、やりにくい相手だと思いました。
シラードと仲の良かったウィグナーも、シラードはエゴイストの面があると分かっていたので、弁明しきれませんでした。
例えばシラードは、科学的知識をグローブス始め軍人たちに試しの様に質問して、答えられないと嘲(あざ)笑いました。
グローブスは、「あんな頑固で自己中心的な奴とは一緒にできん!」と吐き捨てる様に言いました。シラードも「あんな奴と仕事ができるか」と憤慨していました。
しかしそのグローブスも部下たちからは、「仕事はできるが、一番嫌なクソ野郎の上司!」とすこぶる不評でした。
例えば秘書に女婿に「やあおはよう。今日も顔が汚いな」と言って憚りませんでした。(続く)