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第69回 アメリカとイギリスの考え

1940年7月12日、ドイツからの空爆を受けるイギリスの要請で、アメリカで英米軍事参謀会議が開かれました。チャーチルの代理で出席した男性は哀願しました。
「とにかくアメリカに早く参戦して頂きたいのです」
それに対してローズベルト大統領は顔をしかめました。
「私も早く参戦したいのですが、とにかくアメリカ国民が戦争不参加の世論なのです」
アメリカの世論はその時、約80%が反戦、特に若者の最高峰の存在であったハーバード大学では9割以上が戦争反対で、例え英仏が降伏しても76%が反対というアンケート結果でした。これでは参戦を打ち出せないし、強引に参戦すれば、この年の秋にある大統領選に影響があります。ローズベルトは三選を狙っていました。
「日本を圧迫して戦争をしかければ?という我が首相の考えであります」
ローズベルトとチャーチルの意見は同じでした。もはやアメリカ国民の考えを変えるにはとんでもない被害者にアメリカがなる事しかありませんでした。(続く)

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