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第159回 源氏の挙兵相次ぐ。

治承4(1180)年9月2日、大庭影親が福原へ遣わした早馬が到着しました。その者は恐るべきことを清盛に言上しました。
「去る八月十七日、伊豆国の流人、右兵衛佐(うひょうえのすけ)頼朝が謀反を起こし、安房・上総に渡っております」
清盛は驚き、そしてたちまちのうちに平家全体に伝わりました。そして秘かに京中に広まりました。

清盛の家人盛国や邦綱は、
「大丈夫でございます。謀反人はただちに平定されます。平家が敗れたことはないのですから」
と言いました。清盛も「そうじゃな」と言いながら、何となく不安がよぎりました。

「まあ、あの頼朝が・・・」
頼朝のかつての主人、上西門院統子内親王は弟の後白河法皇が幽閉されている御所を訪ね、美少年であった頼朝を思い出し感嘆しました。
「姉上のお眼が高かったのでございますね。きっと平家を討ってくれます」
法皇は自信ありげに言うのでした。

更に9月7日には、木曾の源義仲も挙兵した事が知らされました。
義仲も為義の孫として、以仁王の令旨を受け取っていたのでした。(続く)


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