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腎臓病患者における薬物動態の不確実性……見えざる変動要因とは?
末期腎不全は、慢性腎臓病の終末像であり、不可逆的な腎機能障害、ならびに早期死亡の主要因です。
当然ながら、末期腎不全患者の薬物動態は健常者と大きく異なります。とりわけ腎臓における薬剤排泄の遅延は、薬の潜在的な有害事象リスクを高める要因となります。
一方、末期腎不全患者における薬物動態には、大きな個人差が知られており、薬剤の体内動態に影響する因子について、十分な解明はなされていません。
今回の記事では、末期腎不全における薬剤代謝酵素およびトランスポーター(Drug-Metabolizing Enzymes and Transporter 、以下DMET)の活動変化を検討した最新の研究結果をレビューし、末期腎不全における薬物動態の変動因子を考察します。
末期腎不全患者における薬物動態の個人差
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