薬の種類や患者さんの病状で服薬アドヒアランスは変わるものですか?
ビスホスホネート製剤の服薬アドヒアランスについては、以下の記事で考察しました。
薬の用法用量はアドヒアランスに影響を与えうる小さくない要因でしたよね。むろん、服薬アドヒアランスは必ずしも改善すれば良いという問題ではないのでしょう。ただ、薬が処方されている以上、薬剤師としては期待される服薬アドヒアランスを維持・向上させるべく、服薬説明を行う必要があることは間違いありません。
一般的に、慢性疾患用薬の服薬アドヒアランスは良好とはい難く、例えば心血管用薬の服薬アドヒアランスは50%前後です【1】。一次予防集団よりも二次予防集団でアドヒアラスはやや改善する傾向にありますが、これには健康に対する患者さんの関心や配慮が影響しているのかもしれませんね。このあたりの考察は、以下の書籍でレビューしていますので、ご参照いただけると嬉しいです。
この記事では薬の種類や患者さんの病状で、服薬アドヒアランスにどのような違いがあるのかについて、服薬説明に役立つエビデンスを紹介したいと思います。
薬の種類で服薬アドヒアランスは変わる?
薬の種類によって服薬アドヒアランスは大きく変わるものなのでしょうか。6つの慢性疾患用薬について、服薬アドヒアランスを比較した研究論文【2】が2009年に報告されていました。
この研究では、2005年1月1日〜12月31日までの間にプロスタグランジンアナログ(緑内障点眼薬)、スタチン、ビスホスホネート、経口糖尿病薬(SU剤、メトホルミン、グリタゾン、グリニド)、ARB、過活動膀胱治療薬(抗コリン薬)の6クラスの薬を処方された患者167,907人の服薬アドヒアランスを検討しています。服薬アドヒアランスは12か月間における服薬日数の割合(proportion of days covered; PDC)で評価されました。
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