【コラム】エビデンスにおける統計情報の読み方・考え方【後編】-統計学的有意とはどういうことか?
前回の【コラム】では薬の効果の大きさを意味する統計指標について解説しました。
薬の効果は、理論的な知識に基づく定性的な評価だけでなく、エビデンスに基づく定量的な評価も重要です。統計指標を用いることで、「どれくらい」の効果が期待できるのか、その期待値を客観的な数値で示すことが可能になるのでした。
しかし、統計指標によって示されている薬の効果の大きさが、偶然の影響によって得られたものである可能性について、どのように考えたら良いでしょうか。
例えば、あるサプリメントを摂取することによって、病気のリスクが10%減ることが示されたとしても、その効果については偶然の可能性が常に存在します。絶対に偶然ではないと言い切るためには、どのような根拠や確信が必要なのでしょうか……。
今回の記事では、統計学的に意味のある効果か否かを判断する方法論である統計学的仮説検定や、その指標である「P値」について解説します。
情報を構成している3要素
ここから先は
3,991字
この記事のみ
¥
300
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?