丸千代山岡家の成長戦略を読み解く~驚異的な既存店売上成長の理由と、2年後の理論株価を考察
前回の記事では、株式会社丸千代山岡家(東証STD: 3399)の経営戦略について、多面的な分析を実施しました。
同社の営業利益は、2018年と比べて10倍以上も増加している一方で、店舗数は20%ほどの増加にとどまっており、これは1店舗当たりの収益性が大幅に増加したことを意味します。
飲食店の売上高は来店数✖客単価に分解可能です。同社の月次速報を見ると、既存店の客単価については小幅上昇にとどまっている一方、来店数はこの2年で急増しており、店舗当たりの収益性の拡大は来店者数の増加が主因と考えられます。
下の図は、株式会社丸千代山岡家の月次速報より、2017年1月~2024年1月における既存店売上高の昨年対比を時系列でグラフ化したものです。
新型コロナウイルス感染症の流行下にあった2020年はやや苦戦しているものの、2022年4月以降はコロナ禍以前と比べても、売上高成長率が拡大しており、2023年には20~30%の売上高成長率を記録しています。
コロナ禍によるリバウンドがあったにせよ、チェーンの飲食店で、既存店売上高が継続的に20~30%成長していることは驚きです。それどころか、2024年も引き続き20%成長を維持しており、山岡家で提供されるラーメンに強い需要が存在することを示唆します。
2024年12月の既存店売上高は20%を下回り、成長鈍化を嫌気してか、株価も大きく下落しました。しかし、2025年1月21日の株価は下影陽線を付け、翌22日には大きく反転上昇しました。
今回の記事では、➊株式会社丸千代山岡家における既存店の収益性改善、すなわち来店数がどのような要因で増加したのか、➋同社のキャッシュフローが極めて理想的な状態にあるのは意図的な財務戦略なのか、さらに➌今後の成長戦略について、IRへの問い合わせ内容をシェアしたいと思います。
また、株式会社丸千代山岡家の中期経営計画資料をもとに、同社の1年後および2年後の理論株価を考察してみたいと思います。
IRへの問い合わせ内容とその回答は……
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