オレキシン受容体拮抗薬の潜在的な有害事象リスクはどの程度?
ベンゾジアゼピン系薬剤の潜在的な有害事象に関心が集まる中で、徐々に存在感を増している薬剤がオレキシン受容体拮抗薬です。スボレキサント、レンボレキサントに続く、新規オレキシン受容体拮抗薬として、ダリドレキサント(クービビック®錠)や、ボルノレキサントの国内承認も相次いでおり、今後の治療選択肢の拡充が予想されます。
オレキシン受容体拮抗剤「ボルノレキサント水和物」の国内製造販売承認申請に関するお知らせ
不眠症治療薬「クービビック®錠」に関するネクセラファーマジャパンとの販売提携契約締結について
ベンゾジアゼピン系薬剤と比べて、安全性が高いと認識されがちなオレキシン受容体拮抗薬ですが、CYP3A4を阻害(もしくは誘導)する薬剤との相互作用が懸念されます(Wrishko, et al.2019; PMID: 30810914)。
製剤添付文書において併用禁忌に該当する薬剤が設定されていないレンボレキサントであっても、相互作用リスクに対する一定の配慮は必要であるように思われます(Landry, et al.2021; PMID: 33455055)。
また、オレキシン受容体拮抗薬は、ベンゾジアゼピン系薬剤と比べると、臨床での使用経験は少なく、その潜在的な有害事象に関するデータは必ずしも十分とは言えません。今回は、オレキシン受容体拮抗薬の潜在的な有害事象について、最新の研究報告をレビューします。
日本における睡眠薬の処方トレンド
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