疾病を予防するとはどういうことか?
一般的に疾病を予防することは、健康関連アウトカムの中でも重要なアウトカムの一つだと考えられる。例えばワクチンによる感染症予防効果や、スタチン系薬剤による心血管疾患の予防効果は、医学的介入において重視すべきアウトカムであろう。
臨床試験データを読み解くうえで、検討されているアウトカムが『真のアウトカム』であるかどうかは熟慮せねばならない。
ただ、患者にとって真に重要なアウトカムとは何かを考えたとき、必ずしも、死亡や心血管イベントのみが真のアウトカムというわけではない。余命の限られた末期がん患者において、延命だけが重要なアウトカムなのか?と問えば、そこには議論の余地があるように思える。
あるいは一般的に重要だと考えられている「疾病の予防」というアウトカムでさえ、真のアウトカムと呼べるかどうかは、患者の文脈(コンテキスト)次第かもしれない。本稿では、疾病の予防が真に重視すべきアウトカムなのかあらためて考察してみたい。
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