個別株では戦場の選び方、つまりポジショニングが大事だよという話
以下、雑感です💦
アステラス製薬の株価が継続的に下落していることから、配当利回りが5%近くまで上がっています。悲観は買いだとか何とか言って、アステラス製薬の株に対して買いを推奨するポストも見受けられるのですが、これは謙虚さがないなぁと感じます。
アステラス製薬といえば、日本を代表する製薬会社であり、海外の売上高比率が8割を超えるグローバル企業です。
当然、アステラス製薬の企業価値については、日本だけでなく世界中の投資家が関心をもち、徹底的にリサーチしているわけですよ。今現在の株価に織り込まれているのは、そうした世界各国のツワモノたちの投資アイディアなわけです。
素人な個人投資家が、値ごろ感から株を買うのは極めて危険です。「株を買える」ということは、その株を「売ってくれる人」がいるということです。
で、アステラス製薬の株は誰が売ってくれるのか?アステラス製薬株の売買にはたくさんの個人投資家が参加していることは事実です。しかし、同社の株式価値をガチで調べつくしたプロの投資家たちもわんさかいるわけですよ。
そいうプロの投資家が「この株いらん」と売り出しているものを、「わあ、バーゲンセールっ」て買うのは、ただのアホか無能かのどちらかでしかありませんのです(むろん、そういう投資アイディアが成功するときもありますし、プロの値付けが常に正しいわけでもありませんが……)。
このことは、アステラス製薬に限りません。日経平均に採用されているような超一流、超有名なグローバル企業は、世界中の投資家がリサーチを欠けています。
ハーバードやスタンフォードでMBAを取得し、超一流の証券会社や投資銀行でキャリアを積んだ、ガチのプロ投資家が数多く参戦している戦場ですよ。
このようなフィールドに個人投資家が株を買いに行くというのは、Navy SEALsみたいな超絶特殊部隊を相手に竹やりで戦うようなものです。
個別株を買うにも戦略が必要なんですよ。つまり、ポジショニングです。どうあがいても、プロの投資家にはかなわんと思ったら、彼らが来ない戦場で戦えば良いのです。儲けるためにはポジショニングが大事とは、ポーターの競争戦略ですね
幸いなことに、日本の東証スタンダードに上場しているような銘柄においては、Navy SEALsが攻めてくるような激戦地が少ないです。流動性の低さや、バリュートラップの問題はあるけど、竹やりでも十分に戦える戦場をホームポジションに据えることが大事だという話。
謙虚さを持つとは、まさにこのことです。そのうえで、企業の成長性を地道に分析すれば、心理的にも余裕をもって個別株に投資できるはず。