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曝露と死亡率の関連性を25%も過小評価する!?侮れないHealthy Worker Effectの影響

高齢者を対象とした観察研究は数多く報告されています。高齢化が進む先進諸国では、老年医学研究に対する関心も高まっており、報告されている医学論文の数も急増しています【図1】。

【図1】PubMedにおいてgeriatricsで検索される年間論文報告数の推移

 一方で、高齢者の身体機能は個別性が高く、同じ年齢層でも日常生活動作や医療依存度は大きく異なります。つまり、高齢者を対象とした観察研究においては、交絡バイアス選択バイアスの影響を受けやすい可能性を指摘できるでしょう。検討した曝露によっては、関連する予後因子が膨大であり、研究結果に含まれるバイアスの影響も極めて大きくなります。
 
 今回の記事では、高齢者の歩行速度と社会経済的な格差を検討した横断研究をご紹介したうえで、高齢者を対象とした観察研究で軽視できないバイアス、Healthy Worker Effectについて解説します。

高齢者における歩行速度の社会経済的格差の関連性から……

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