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中期経営計画は企業業績と連動する?投資判断における「中計」の位置づけを考察する
企業分析を行う際に参考となる資料は多岐にわたります。有価証券報告書や直近の決算短信、あるいは決算説明会の資料などを挙げることができるかもしれません。また、企業の経営戦略を俯瞰する上では、中期経営計画(中計)に関するプレゼンテーション資料も参考になりますよね。
中期経営計画とは、企業が中期的に目指す、あるべき姿と現状とのギャップを埋めるための計画のことで、一般的には5~10年を念頭に設定された経営ビジョンを実現するために、中期(3~5年)で取り組むべき経営課題を明確にする指針です。
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中期経営計画を策定している企業によっても異なりますが、経営指標に関する具体的な数値目標や、具体的な行動目標及び経営計画などを盛り込むことが一般的です。
一方で、日本を代表する企業の一つ、トヨタ自動車は中期経営計画を策定していません。実は、時価総額が大きな企業の中には、中期経営計画を策定していない企業も珍しくありません(トヨタ自動車のほかに、キーエンスやソフトバンクグルプなど)。
今回の記事では、中期経営計画の策定が、業績の成長や企業価値の向上にどれだけ貢献し得るのか、投資判断における中期経営計画の位置づけを、エビデンスに基づき考察します。
利益目標を前倒しで達成したとしても……
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