【新薬レポート】近視の進行抑制薬、アトロピン点眼薬の有効性や安全性は?
2024年12月2日に開催された厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会において、国内初の近視進行抑制薬、リジュセアミニ点眼液(一般名:アトロピン硫酸塩水和物)の承認の可否が審議され、承認が了承されました(厚生労働省.2024.12.2)。
同薬は、アトロピン硫酸塩水和物を0.025%含有した点眼液で、ムスカリン受容体を阻害することにより、眼軸(角膜から網膜までの長さ)の伸長を抑制すると考えられています(Upadhyay A,et al. 2020; PMID: 31899695)。
近視は、眼内に入った光が網膜よりも手前で焦点を結んでしまい、網膜にピントがあわない状態です。眼軸が伸長すると、網膜よりも手前で焦点が結ばれやすく、眼軸の伸長を抑制することは、近視の進行を抑制、もしくは遅延につながると考えられています。
そのため、アトロピンの点眼液が臨床応用されることで、近視患者における生活の質の低下や、近視に関連した合併症の予防に貢献するものと期待されていました。
2024年12月5日現在において、リジュセアミニ点眼液は未承認ではあるものの、近い将来に実臨床でも使用可能になると思われます。今回の記事では、近視に対するアトロピン点眼液の有効性や安全性についてレビューします。
近視の疫学と地域差
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