メタ分析論文の読み方(詳説)
この記事では実際の医学論文を用いてメタ分析論文の読み方について解説する。なお、以下の記事にあらかじめ目を通していただけると、より理解が深まるだろう。
本記事で取り上げる論文は以下である。全文がインターネットで閲覧できるため、必要に応じて参照しながら読み進めていただければ幸いである。
Wanas Y, et al : Assessing the risk of angiotensin receptor blockers on major cardiovascular events: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. BMC Cardiovasc Disord. 2020 Apr 21;20(1):188. PMID: 32316917
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32316917/
論文タイトルからも想像ができる通り、レニンアンギオテンシン阻害薬と心血管リスクの関連を検討したシステマティックレビュー・メタ分析の論文である。
まずはメタ分析論文の確認ポイントを再掲しよう。基本的には以下のステップで確認していくとよい。異質性バイアスを評価する前にメタ分析の結果を確認すると効率的である。
ステップ1.論文のPECOは何か?
ステップ2.評価者バイアスに対する配慮はなされていたか?
ステップ3.出版バイアスに対する配慮はなされていたか?
ステップ4.元論文の内的妥当性はどのように評価されていたか?
ステップ5.メタ分析結果はどうか?
ステップ6.異質性バイアスはどの程度か?
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