子供が薬を嫌がるのですが、どうしたら良いでしょうか?
新生児や乳幼児を含め、子供が薬を嫌がって飲まないことは少なくありませんよね。小児薬物療法の現場ではたびたび相談を受けるテーマだと思います。とはいえ、どのように対応すれば良いのかについて、明確な答えを引き出すのは困難かもしれません。それは決して、小児薬物療法に対する専門家としての知識が不足しているというわけではなく、極めて個別性が高い問題だからです。
子供が薬を嫌がって飲めないことを報告した文献は半世紀前にも見つけることができます【1】。薬を嫌がる子供に対処する方法について、薬の専門家といえども即答が難しいことは、この半世紀という時間が物語っているように思います。今回の記事では、そんな小児の服薬アドヒアランスを巡る問題について、服薬説明に生かせるエビデンスを紹介します。
子供が薬を嫌がる理由は?
子供が薬を嫌がる大きな理由は味やにおい、口当たりなどの嗜好性によるものがほとんどでしょう【2】。特に薬の苦みは、服薬を嫌がる原因の一つだと考えられます。実際、味覚を理由に薬を拒否する子供は、他の子供に比べて苦味知覚の高い遺伝的感受性を有していることが知られています【3】。
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