マッチングテクノロジーや独自PMIノウハウをコアとした経営戦略は有効に機能している?株式会社じげんのビジネスモデルと企業成長を読み解く!
2024年11月6日付で株価が急騰したものの、7日以降は軟調な株価が続いている怪しげなチャートを形成しているのは、株式会社じげん(東証PRM:3679)です。
11月6日に、東海東京証券がじげんを強気の「アウトパフォーム」で新規にカバレッジし、目標株価を770円としたことを好感して、株価が急騰しました。
しかしながら、翌7日に発表された中間期決算を受けて、株価は大きく下落し、その後も600円代を回復できていません。
じげんは、求人情報や不動産情報などのマッチングサイトを展開していっる、メディア企画・運営を行うインターネット企業です。同社は、メディアプラットフォーム事業を行っている様々な企業をM&Aによって取り込み、非連続的な急成長を遂げてきました。
東海東京証券もまた、「高い再現性誇るM&A巧者」と評し、新規カバレッジを開始しています(株式新聞.2024.11.07)。
じげんの強みは、同社が「マッチングテクノロジー」と名付けたコアコンピタンスにあります。マッチングテクノロジーとは、ウェブサイトのデータ分析やアルゴリズムを蓄積し、集客の効率を上げ、顧客のマッチングの精度を高める独自のビジネスノウハウです。実際、買収時点では営業赤字を計上していたメディア企業でも、じげんが経営統合することによって、短期で黒字化を達成してきた実績があります。
また、M&Aによって買収したメディア企業の組織文化や経営資源を、より効率的に業務統合するための同時ノウハウ、ZIGExN Value Integration(ZVI)によって、グループイン企業の業績を大幅に改善させてきた実績もあります。
一般的に、M&Aによってグループインした経営資源は、自社の組織文化との早期融合が求められます。じげんは、ZVIと名付けた独自のPMI(Post Merger Integration)によって、グループシナジーを効果的に引き出しているというわけです。
しかしながら、11月7日付で開示された中間期決算の結果は、マーケットの期待値を下回るものでした。今回は、じげんが強みとするマッチングテクノロジーやZVIといったノウハウが、経営戦略における実効的なビジネスモデルとして機能しているかどうかを検証し、これらの経営戦略と利益成長との因果性を考察します。
じげんの事業セグメントと成長戦略の概要
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