画一的なアプローチはNG? カルシウム拮抗薬の過量摂取における臨床的変動と治療の最適化
カルシウム拮抗薬は、高血圧の治療薬として広く処方されている薬剤の一つです。適切な用法用量で服用している限りにおいて、その潜在的な薬物有害事象リスクは必ずしも高くありません。
しかしながら、濫用を含む意図的なカルシウム拮抗薬の過剰摂取においては、血圧低下、めまい、倦怠感、ふらつきはもちろん、昏睡や致死的なショックなど、重篤な症状を呈することもあります(Chakraborty RK, et al.2024;PMID: 30725832)。
一般的には、重度の低血圧や徐脈を発症することが多く、入院加療を必要とするケースがほとんどです(Christensen MB, et al.2018;PMID: 30482251)。
いくつかの疫学調査によれば、カルシウム拮抗薬の過量摂取による死亡例の多くはアムロジピンで報告されています(Christensen MB, et al.2018;PMID: 30482251/Bush BR, et al.2023 ;PMID: 37194708.)。
ただし、アムロジピンは他のカルシウム拮抗薬と比べて、処方される頻度が高い傾向にあります。それゆえ、アムロジピンで死亡例が多いという調査結果は、同薬の毒性の強さというよりはむしろ、潜在的な服用患者数の多さに起因している可能性があります。
今回の記事では、カルシウム拮抗薬を過剰に服用した場合に、薬剤の種類ごとの症状や治療法の差異について、最新の研究論文をレビューしたいと思います。
カルシウム拮抗薬の過量服用と毒性
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