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【シリーズ】IR資料の読み方:第1回ー資本コストとROEの関係性から紐解く企業価値ー

 株式や不動産などの投資において、投下した資金に対してどのくらいのリターンが得られるかという問題は極めて重要ですよね。投資元本に対する収益の割合を利回りと呼びますけど、企業価値の創造においても、利回りの考え方が大切です。
 
 株式投資における利回りと言った場合、配当利回りを思い浮かべる方も多いと思います。むろん、配当利回りもまた、利回りに間違いありません。

 ただ、投資者や経営者の観点から利回りを考えた場合には、企業の純資産が、株主に帰属する利益をどれだけ生み出しているか? という投下資金に対する収益性の問題として捉えることができます。
 1株単位で考えれば、BPS(一株純資産)に対するEPS(一株当たりの当期純利益)の割合であり、この割合はしばしばROE(Return On Equity:自己資本利益率)に近似できます。
 
 ROEは、企業の収益性を評価する上で重要な会計指標ですし、投資者にとっては、投資判断指標として馴染のある数値だと思います。ROEはまた、企業価値の創出とも密接に関わっている指標として重要です。
 今回の記事では、「シリーズ:IR資料の読み方」と題して、ROEと企業価値の創造について解説します。

ROEの基本的な考え方とデュポン分解

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