【コラム】過去を美化してしまう回顧バイアス;OTC医薬品の販売実務における影響は?
過去の出来事が記憶によってゆがめられ、過去の事実と記憶的に基づく体験にギャップが生じる心理現象を回顧バイアス(Retrospective bias)と呼びます。いわゆる認知バイアスの一種であり、いわば「バラ色の回顧」や「過去美化バイアス」といった現象を指します。
回顧バイアスが発生すると、僕たちの思考や意思決定に小さくない影響をもたらす可能性があります。例えば、新型コロナウイルス感染症のパンデミック初期を振り返る際に、実際よりも「大したことなかった」と過小評価してしまうケースが挙げられるでしょう。
2023年に、新型コロナウイルス感染症の流行期における回顧バイアスの影響を検討した研究論文が、日本グループ・ダイナミックス学会という学術団体の公式ジャーナル、実験社会心理学研究誌に掲載されていました(Yamagata & Miura,2023;DOI: 10.2130/jjesp.si5-2)。
今回の【コラム】では、同論文をレビューしたうえで、OTC医薬品の販売実務における留意ポイントを整理したいと思います。
新型コロナウイルスのパンデミック下における回顧バイアス
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