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研究結果の外的妥当性を高める効果的なアプローチは金銭的インセンティブ!?
人種・民族が多様な米国では、社会経済的に疎外された集団における医療格差が問題となることも少なくありません。実際、米国における白人種の総医療費は、他の人種・民族と比べて高いことが知られており、平均余命にも明らかな格差が生じています(Dieleman JL,et al. 2021; PMID: 34402829/GBD US Health Disparities Collaborators. 2022;PMID: 35717994)。
薬剤効果の検証のために実施される臨床試験においても、社会経済的な背景によって、登録された被験者の人種や民族に偏りが生じる可能性もあります。このような、被験者の偏りは、研究結果の外的妥当性を損ねる要因となるかもしれません。
今回の記事では、ランダム化比較試験における被験者の人種・民族の特徴を整理したうえで、その偏りを是正するためのアプローチを考察します。
臨床試験に登録される被験者の人種・民族の「相対的」な偏り
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