チペピジン(アスベリン)シロップ、振盪(しんとう)しないとどうなっちゃいますか?

 小児の薬物療法で、処方頻度の高い鎮咳薬にチペピジンヒベンズ酸塩(アスベリン)があります。同薬のシロップ剤(アスベリンシロップ0.5%/アスベリンシロップ「調剤用」2%)は懸濁液ですよね。服薬説明時には「シロップ容器を軽く振ってから計量してください」というお話はすることでしょう。ただ、勢いよく降り混ぜると、シロップが泡立って計量が難しくなってしまうこともあります。調剤時や服薬時の振盪(しんとう)について、添付文書には以下のように書いてありました。

シロップ及びシロップ「調剤用」は、懸濁液であるため、調剤時軽く振盪(瓶の正立-倒立をゆっくり、数回繰り返すなど)し、均一化させて使用するが、その際、強く振盪すると発泡による秤取困難を起こすことがあるので注意すること。
シロップ及びシロップ「調剤用」は、他剤と配合すると懸濁性が損なわれ、沈殿が生じる可能性があるため、配合後の秤取に際しては、軽く振盪し、均一化させて使用すること。
シロップ及びシロップ「調剤用」を患者に投薬する時は、「均一となるように振盪し、沈殿が生じていないことを確認してから服用」するように指示すること。

 沈殿物が生じていないことを確認してから服用することが強調されていますね。もし仮に、瓶の正立-倒立をゆっくり、数回繰り返すなどをせずに、懸濁成分を均一にしないまま調剤、あるいは服薬してしまったらどうなってしまうのでしょうか。今回はチペピジンのシロップ剤に関して、服薬説明に役立つエビデンスを紹介します。

チペピジンでアナフィラキシー!?

 チペピジンヒベンズ酸塩は1959年に日本で開発されて以来、長らく臨床で使用され続けており、一般的には安全性が高い薬と考えられています。ただ、ごくまれにアナフィラキシーを起こすこともあり、注意が必要です。もちろん、アナフィラキシーのリスクはチペピジンに限ったものではありませんが、実際の症例報告を知っておくことは、服薬説明をするうえでも参考になると思います。

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