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標準化平均差(standardized mean difference)を直観的に理解する方法:連続変数アウトカムのメタ分析結果を評価するポイント
季節性アレルギー性鼻炎の治療薬として、最も効果的な薬剤が鼻噴霧ステロイドです。その効果は、経口抗ヒスタミン薬を大きく上回ることが知られています。
例えば、季節性アレルギー性鼻炎に対する経口抗ヒスタミン薬と鼻噴霧ステロイドの有効性を比較したメタ分析の結果をご紹介しましょう(Weiner, et al.1998; PMID: 9848901)。
この研究では、ランダム化比較試験16研究がメタ分析の対象となりました。その結果、経口抗ヒスタミン薬と比べた鼻噴霧ステロイドの症状スコアに対する標準化された平均の差(95%信頼区間)は、鼻閉で-0.63(-0.73~-0.53)、鼻汁で-0.5(-0.6~-0.4)、くしゃみで-0.49(-0.59~-0.39)、鼻の痒みで-0.38(-0.49~-0.21)でした。
いかがでしょう……。鼻噴霧ステロイド薬の有効性は経口抗ヒスタミン薬をはるかに上回る……と直観的に把握できるでしょうか?
このメタ分析の結果を直観的に把握しづらい原因の一つが、効果を表す指標として標準化された平均の差(standardized mean difference、以下標準化平均差)が用いられていることかもしれません。この記事では、標準化平均差の考え方や解釈の仕方について解説します。
標準化された平均の差とは?
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