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NSAIDsとPPIを併用すると胃腸障害のリスクが増加する!? メカニズムの鍵は腸内細菌叢にあり?
プロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)の臨床応用と普及や、衛生環境の改善(ピロリ菌への感染リスク低下)によって、上部消化管イベントの発生率は低下傾向にあることが知られています(Lanas A, et al.2009 PMID: 19574968/Loperfido S,et al. 2009;PMID: 19409558)。一方、下部消化管イベントの発生率は増加傾向にあります(Lanas A, et al.2009 PMID: 19574968)。
下部消化管イベントの増加要因として、人口の高齢化を挙げることができます(Menichelli D, et al. 2024;PMID: 38765253)。 下部消化管イベントの中でも、下部消化管出血は発生頻度の高い合併症の一つであり、NSIADsを服用している人に対しては、予防的にPPIが使用されることも多いでしょう。
今回の記事では、下部消化管出血に対するNSAIDsとPPIの併用に関する「害」について、最新の研究論文をレビューしてみたいと思います。
NSAIDsとPPIの併用は、消化管イベントを増加させる!?
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