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46歳、スタートアップへの転職 - Vol.3 転職活動準備編 -

▼はじめに

・このnoteに関して

このnoteは私が46歳で大企業からスタートアップに転職した体験記です。
前回までの記事:【①】きっかけ編【②】葛藤編

・今回のnoteのサマリ

人材サービス業(人材紹介事業)に16年間携わり、中途採用/転職のプロを自認していた私が、いざ自分のこととなると悩みや迷いの連続。結局、転職サイトの登録に1ヶ月もかかってしまった情けない話です。

▼45歳、転職活動を開始しようとするが…

・忙しくて転職活動ができない

当時、人材サービス企業で管理職だった私のスケジュールはトイレに行く時間すら確保できないほど詰まっていました。朝9時から19時くらいまで会議でほぼ埋まっており、また関係者が複数いる会議も多かったため簡単にリスケ、スキップすることが難しい状況でした。人生に悩み、転職することを考えながらも、実際は転職活動に割ける時間、特に面接などで企業に訪問する時間がない、という状況でした。

転職活動を本気で考えていても時間が捻出できない。他人からみれば、それくらい何とかしようよと感じるかもしれません。私は、時間の捻出というそもそもの部分でつまづいていました。

しかし、超多忙で人生に漠然とした不安を抱えていた2020年の春、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、私たちの価値観や生活が大きく変化しました。転職活動においては、多くの企業が中途採用選考の面談や面接をWEB会議ツールで実施することが一般化しはじめていました。

結論は、多忙な私にとって中途採用選考のWEB化は、転職市場に出てみようと決意した大きな要因となりました。当時はリモートワーク環境でしたので、面談や面接にかかる1時間くらいの時間であればなんとか捻出できる、と考えました。

・転職目的に悩む

転職活動を始めるにあたって最初に考えたことは“転職活動の目的“でした。私は目的を「残り数十年ある社会人人生を過ごす目的とキャリアを設定する」と置きました。これは、【転職活動≠転職】も有り得る、ということです。

一般的には【転職活動=転職】だと思いますので、目的を転職とおかないことは良いことだろうか悩みました。今後面接の機会をいただくであろう企業、転職活動の支援をしてもらうかもしれないエージェントの立場に立って考えると心苦しい面もありました。色々と考えた結果、“入社後のミスマッチを最小限にする“と考えると、誰にとっても決して悪いことではない、と結論を出しました。

・登録する転職サイトに悩む

一般的に転職活動には、企業と直接やり取りする直接応募型か、転職エージェントに間に入ってもらう間接応募型があります。また応募企業を探す方法には、自己応募型とスカウト型(リファラル含む)がある、と言われています。

私はスカウト型で活動をスタートしよう、と考えました。当時勤めていた会社には30歳から15年間勤務しており、“井の中の蛙“感を強く感じていました。スカウトを送っていただける企業やその内容から、自分の築いてきたキャリアを客観的に見ることができると考えました。

どのサイトに登録しようか悩みましたが、WEBやTV広告でよく見かける某有名サイトに登録をしました。このサイトに登録した強い理由はありません。たまたま第一想起したサービスだっただけです。話は逸れますが、ビジネスでは良く“お客様に第一想起される“ことを掲げて目指しますが、改めて第一想起されることの大切さを感じる体験でした。

登録するサイトの数にも悩みました。複数のサイトに登録して選択肢(≒可能性)を広げた方が良いと考えましたが、忙しいということもあり、まずは1社のみ登録、という決断をしました。

▼45歳、経歴を書こうとするが…

・職務要約が書けない

転職サイトに登録をすると、いくつかのデジタルな情報の入力ののちに、職務要約と職務経歴の記入を促されます。この2項目の記入にすごく時間がかかりました。

特に苦戦したのは職務要約の記入です。何を書いたら良いか分からず途方に暮れた、という表現が適切かもしれません。

そこで私は、職務要約とは誰に対して、何のために書くものなのか、という目的の整理をしました。私なりに職務要約には2つの目的があると考えました。1つめは、企業などのスカウト担当がスカウトする際に確認するもので、2つめは面接冒頭で自己紹介を求められたときに話すもの、です。

職務要約の目的を整理をする過程で私は、職務要約とは自分の経歴に当てるスポットライトのようなものである、という気づきも得ました。

職務要約の解釈を固められたことは良かったのですが、次に大きな壁にぶつかります。それは、自分の経歴やスキルで打ち出したいもの、つまりスポットライトの当て処が分からない、という壁でした。

・転職理由がないことに悩む

自分の経歴やスキルの中でスポットライトを当てたいところを考えましたが、なかなか納得できるものが書けず、ただ悩む日々が続いていました。結局、私はこの時点ではスポットライトを当てるところ決めない、という決断をします。

そもそも私が転職を考えた理由は年齢とキャリアに対する漠然とした危機感からでした。転職理由の公式である【転職理由=退社理由+WILL】にあてはめると、退社理由もWILLもありません。つまり転職理由が無い状態でした。

今回の転職活動の目的は「残り数十年ある社会人人生を過ごす目的とキャリアを設定する」と置きました。これは、転職活動をしていく中で転職理由を見つけていく、とも言い替えられると思います。だから、今の時点では転職理由は無くて良い、つまり職務要約を目的に沿って書かない、という判断をします。

そうは言っても職務要約は転職サイトでは必要な項目となっているので、経歴を万遍なく紹介するような要約を一旦記入しました。

・職務経歴に何を書けばよいか分からず悩む

職務経歴を書く際に最初にぶつかった壁は、何をどこまで書くのか、でした。私はこの時点で22年間、2社での社会人経験を有しておりました。ありがたいことに、様々な仕事を多くの拠点や部署で経験しており、どこまで細かく書けば良いのか、というのが悩ましい点でした。

私が出した結論は、“時系列で職種ごとに書く“でした。一度、時系列の軸だけで書いてみたのですが、自分で読んでも分かりづらいと感じました。私の場合、経験していた職種はある程度の期間で固まっていましたので、時系列で職種ごとに書いた方が良いと考えました。

余談ですが、転職サイトでは在籍している企業の経歴から書くような構造になっています。自分の経歴を書く際にもこの構造に倣って新しい経歴から順に書きました。

・実績の確認と整理に苦悩する

転職サイトには記載すべき内容のアドバイスが書かれています。職歴には経験した内容と実績を書くようにと書かれていました。この実績の確認と整理にも相当な時間がかかりました。

私は販売や営業などの具体的な目標数値を追う仕事をしていました。数値や達成率を記載する必要があると考えたのですが、20年以上社会人をやっていましたので、過去の数値を確認するのに相当な時間がかかりました。

なんとか、目標数値、実績、達成率を整理することができました。こういった数値は定期的に振り返る際に、どこかに保存しておいた方が良いな、と大きな気づきにもなりました。

・取組の整理に苦戦する

また、その当時に取り組んでいたこと、特に実績や成果に繋がった取り組みの確認や整理にも時間がかかりました。もちろん何をやったのかを思い出すのにも時間がかかりましたが、それよりも、その取り組みをどうやって分かりやすく端的に書くのか、という壁にぶつかり、乗り越えるのに時間がかかりました。

いろいろ悩み、試行錯誤した結果、5W1Hのフレームで整理することにしました。

私は管理職として部下に対して、日常的に取組内容を5W1Hで整理しなさい、と伝え、その内容に対して多くのツッコミやアドバイスをしてきました。いざ自分が整理する段になって、5W1Hで整理する難しさを改めて痛感しました。また、こういった取り組みの整理も定期的に実施して保存しておいた方が良い、と感じました。

・結局、約1ヶ月かけて転職サイトの必要項目を書き終える

結局、転職サイトの必要項目の記入を終えるのに約1ヶ月かかりました。仕事をしながら、ということもありましたが、自分の経歴を整理するのは想像以上に大変だと感じました。

冒頭にも書きましたが、私は16年間人材サービス業(人材紹介事業)に携わっており、多くの企業様や転職希望者の方にアドバイスをしてきました。まさか自分の経歴の整理や表現にこんなに時間がかかるとは思いませんでした。この自分の苦労をきっかけに、誰かに話をすればまとめてくれるようなサービスを作ろうかな、と真剣に考えたくらいです。

しかし、この1ヶ月間は決して無駄ではなかったと感じています。自分のこれまでの人生や仕事にこんなに向き合ったことは今までありませんでした。漠然とした不安から転職市場に乗り出す自分にとって非常に大切な時間だったと思います。

こうして私は転職活動の準備を終え、本格的に活動を開始します。でも、転職をするのはこの時点から1年後です。

次回は本格的に開始した転職活動について書こうと思います。








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