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46歳、スタートアップへの転職 - Vol.4 転職エージェント利用編 -

▼はじめに

・このnoteに関して

このnoteは私が46歳で大企業からスタートアップに転職した体験記です。
前回までの記事:【1】きっかけ編【2】葛藤編 【3】転職活動準備編

・今回のnoteのサマリ

1ヶ月かけて転職サイトへの登録を終えた私は、人生で初めて転職エージェントを利用します。今回は転職エージェントを利用して感じたこと、気づいたことなどを書いていきたいと思います。

▼45歳、転職エージェントを初めて利用する

・転職サイト簡易登録後3分でスカウトメールが届く

私は転職活動のスタートとして転職サイトに登録をしました。第一想起した広告を良く見る転職サイトです。このサイトへの登録後に驚いたことが、簡易登録完了後3分でスカウトメールが届いたことです。これは自分の市場価値が高い!という喜びの驚きではありません。

前回のnote(転職活動準備編)にも書いたのですが、私は転職サイトの必要な情報を埋めきるのに1ヶ月かかっています。転職サイト運営者は詳細必要項目を埋めるのに時間がかかることは承知済みですので、登録途中での離脱を防ぐために簡単に書けるような項目を埋めると簡易登録ができる仕様になっています。つまり登録が完了した時点で記載されているのは必須事項である年齢や学歴、経験企業名や年数の記載、経験業界や職種の選択をしている程度です。この程度の情報でスカウトメールが送られてくる転職市場の現実に驚愕しました。

スカウトメールの送り主は転職エージェントでした。転職エージェントは転職希望者の量の確保が実績に結びつくビジネスモデルですので、転職サイトを主な集客手段として活用し、大量のスカウトメールを送っています。転職希望者は転職サイトに登録しようとしている瞬間は転職に対する熱量が高いですし、メールを見る確率も高い、つまりコンタクトを取りやすい、と考えて登録後すぐにスカウトメールを送るという取り組みをしているのだと思います。私の場合は、詳細記入が完了するまでに届いたスカウトメールには一切返信をしませんでした。返信する気にならなかったというのが本音です。何事もタイミングって大切だな、と感じた出来事でした。

・転職エージェントからのスカウトの種類

転職エージェントからたくさんのスカウトメールが届きましたが、文面には2つのパターンがあることを知りました。


①具体的な企業を紹介したいのでお話ししましょうパターン
スカウトメールの文中には、私が転職サイトに書いている具体的な経歴を挙げ、候補企業の具体的なミッションが明記されています。企業名は非公開ですが、想像がつくような特徴は書かれています。また多くのケースで声をかけていただいた具体的な理由も簡単に書かれており、興味を惹かれることが多かったです。

②こんな可能性があると思いますのでお話ししましょうパターン
スカウトメールの文中には、私の経歴に似たような方の事例や、私が興味を惹きそうな具体的な転職支援実績が記載されています。このパターンの文面には、転職サイトに記載されている私の現職企業名や経験などを抜き書きしているか否か、という点での違いもありました。


私に届くスカウトメールの量としては、パターン②の「とにかくお話しませんか」が9割程度と圧倒的に多かったです。パターン①の「具体的な企業紹介」のパターンはレアケースだったので届いた時には非常にテンションが上がり嬉しかったです。

・転職エージェントを選ぶ基準

私は幸いにも複数の転職エージェントからお声がけをいただきましたので、お会いするエージェントを選ぶ必要がありました。この選ぶ基準を決めるのが相当難しく悩ましかったです。何社にお願いするのか、どうやって選ぶのか、未だに良い解は見つかっていません。

私は結局合計7社のエージェントとお付き合いをしました。内訳は、1社の応募のみの支援で5社、継続的に支援をお願いしたエージェントが2社となります。ただ、私が転職実現する最後まで気長にお付き合いいただけたのは1社だけでした。

悩ましかったエージェントを選ぶ基準に関して、私なりの基準を2つ書いておきます。

1.具体的な企業紹介をベースとしたスカウトをいただいたエージェント
上述したスカウト文面パターン①を送ってくれた転職エージェントのことです。私はこのようなスカウトを送っていただけた転職エージェントには全てお会いしましたし、全ての企業へ応募をしました。他パターンと比較して選考が終盤まで進む確率もかなり高かったです。ただ、エージェントとは当該案件限りのお付き合いになることが多いのもこのパターンの特徴でした。

2.直感
感覚的な表現になってしまいましたが、直感という言葉以外に適切な言葉が思いつ来ませんでした。スカウトメールの文面や送信者であるキャリアコンサルタントの所属企業のホームページ、写真の雰囲気や自己紹介文、転職サイトの他者評価などで判断していました。私自身が志望業界が明確にあるわけでは無く、また転職活動のゴールを転職においていなかったので、業界に精通しているとか転職実績が多いという文面には全く惹かれず、スカウト文面に工夫がみられるかなど、親身になってお付き合いいただけそうか、という観点で判断していました。余談ですが、最近の転職エージェントはスカウトメールのタイトルに細かい工夫を凝らしているように感じました。転職希望者にスカウトメールを見てもらうのも大変なんだろうな、と感じていました。

先ほど継続的に支援をお願いしたエージェントは2社あったと書きました。実は私はこの2社に出会うまでに6社のエージェントと面談をしています。この6社が2社になった経緯も書いておきます。

・ほとんどのエージェントはまともに話を聞いてくれない

私はまず最初に、特定企業案件を紹介すると言ってくれたエージェント以外で2社のエージェントとコンタクトを取りました。なんとか面談の時間を確保し、オンライ面談ツール(zoomやGooglemeet)の設定を何度も確認し、緊張しながらオンライン面談に臨みました。

私はこの最初の面談が20分程度で終わってしまうという衝撃の体験をします。

あれ?もう終わり?という感じでした。2社との面談時間はそれぞれ15分と20分でした。しかも2社とも判を押した様な定型的なヒアリング。転職理由や希望条件を深掘りされることもなく簡単に聞かれて何社か求人紹介をされて終わりでした。すごく消化不良感があり、肩すかしをくらったような面談でした。

私の期待値が高かっただけでこれが当たり前のことなのかもしれない、とも考えました。大変失礼な話かもしれませんが、結局私は面談時間が短かったエージェントにはご紹介企業への応募はお断りし、その後は何度連絡をもらっても返信をしませんでした。私にはお付き合いするメリットが無い、と判断しました。

転職エージェントはたくさんの人と会うことで目標数字の達成確率が高まるビジネスモデルなので基本的に超忙しく、1人1人に時間はかけていられないのだと思います。また、売上効率の観点で転職支援しても転職実現できそうな人かどうか、という観点でシビアに判断するのだと思います。転職エージェントにとって私は時間をかけるに値しない人材だった、だから面談の時間が短かったのだと解釈しました。

・長くお付き合いした転職エージェントに共通していたこと

その後、何社かの転職エージェントとコンタクトを取りました。結局2社の転職エージェントと長くお付き合いするのですが、2社の初回の面談には共通点が3つありました。

①自分の転職理由や希望条件、将来の展望を背景などからしっかり聞いてもらえた。
②私に対する客観的な情報を良い点も悪い点も教えてもらえた。
③紹介された企業様の客観的な情報や紹介(おススメ)理由を教えてもらえた。

過去や現在の話だけではなく未来まで聞いていただけたことで、初回の面談後に信頼できるな、と感じました。その後も良い関係が続き、素晴らしい支援をしていただけたと感謝していますし、今でも定期的に連絡をとるような関係になっています。

・転職エージェントを利用するうえで大切なこと

私は今回の転職活動スタートのきっかけは、自分の将来への漠然とした不安でした。ただ悩む日々が続いていた中で、実際に転職活動をしてみようと決意します。転職活動によって世の中や転職市場を知り、客観的に自分の市場価値を知ることで将来の方向性を決めていきたいと考えました。そのため、転職活動の手段も企業や転職エージェントの両者からスカウトを受けられる転職サイトを利用しようと考えました。このような背景から、転職エージェントには勝手に高い期待を持っていました。

また、当時在籍していた企業には15年も在籍し、“井の中の蛙“もしくは“茹でガエル“ではないか、という不安も抱えていました。私に客観的視点を与えてくれ、視野を広げてくれるのは転職エージェントである。いつの間にかそんな思いも抱いていたのだと思います。

期待が勝手に高まっていた私にとって、先ほども書きましたが、“エージェント2社との初回面談が20分で終わる“という出来事は私の事前期待を大きく下回り、大きな衝撃を受けました。

しかし、私はこの衝撃を受けた体験を家族や知人に話すうちに、自分の転職活動に臨むスタンスがおかしかったことに気付きます。そして転職活動において大切なことを改めて再確認する機会となりました。

私が気づき再確認したこと、それは「転職活動の主体者は自分である」ということです。凄く当たり前のことを大袈裟に書いているという自覚はあります(笑)

漠然とした答えの見えない不安からくる転職活動。なかなか上手くいかない転職活動。こんな状況は誰にでも良くあることだと思います。

悩み続ける日々の中でいつの間にか、転職のプロであるエージェントに頼れば良い、と答えを誰かに求め、自分の人生に対して当事者意識が薄くなっていく。これは誰にでも起こり得ることだと思いますし、私も例外ではありませんでした。

私は、きっとプロである転職エージェントが何か答えをくれる、そんな思考停止のスタンスになってしまっていたのだと気づき反省をしました。自分が主体者である自覚を持ち、全てを誰かに頼るのではなく、もっと主体性を持って能動的に動いていくことが必要。こんな想いが芽生えてきました。

私はこの後、自分でも分かるくらい明らかに行動が変わりました。転職エージェントとのファーストコンタクトは私の転職活動においてすごく大切な転機だったと今振り返ると感じています。

転職活動に対するスタンスが整った私にこの後「自分の市場価値を痛感して凹む」という出来事が起きます。次回のnoteではこのことについて書こうと思います。

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