メキシコ麻薬戦争を読む①【若者がナルコになる理由】
仕事でも使わなくもないが、映画好きでありタマフル好きであるため、推薦図書特集で紹介された「メキシコ麻薬戦争」を購入し何度か再読している。
メキシコではTOKYO TRIBEよろしくいくつもの「カルテル」と呼ばれるマフィア集団があり抗争が繰り返されている。その抗争に必要な物資を得るために必要になるのが金で、手っ取り早く稼ぐ方法が薬物の売買だ。多くの麻薬密売人を生み出し、メキシコで5年間で5万人に近い人が殺害されることとなったシステムや現状を「メキシコ麻薬戦争」と呼ばれている。
・メキシコの若者がナルコ(麻薬密売人)になる理由 メキシコは就職率が非常に悪い。雇用がないため貧乏な生活が強いられる。しかし、薬物を売れば1番で大金を得ることができる。家族を楽させることができる、彼女ができるなどの理由で麻薬を売るようになる。
カルテルにとってナルコはトカゲのしっぽ。末端の人間を利用するだけ利用して逮捕されたら知らんぷり。それは彼らもわかっている。都合が悪くなれば殺されることも。。。
若者によってはナルコだけでなく殺人にまで手を染めることになる。まずは死体を解体することをさせることで感覚を麻痺させ実行部隊へとなっていく。
金で若者を釣り、危険な最前線で使い捨てする。若者の死ぬリスクをわかっていながらも金のために犯罪に手を染めていく。
このシステムを破壊するには国家が犯罪しか稼ぐ方法がないという状況をなくしていくしかない。自己責任論を唱えていいとこどりしても待っているのはいつ何が起こるかわからない不安な生活。防御を固め、緊張感が拭えない日常。そしてこれはメキシコだけではなく日本でも言えることで貧困がひろがるというリスクは安全で安心な社会を崩壊させる大きな要因になる。
安全・安心な国家を築くのは何が必要なのか考えさせられる一冊。