許してもらうが一番つよい。
20代の頃、訪問販売の営業をしておりまして毎日一般家庭に電話をかけ、アポをとって営業に出向き、2時間〜3時間ほど話して契約をとるっていうお仕事をしてました。
契約は8万円〜90万円ぐらいまでコースがあって、お客様にあわせた提案をするんですけど、こちとら売上ノルマがありますから、会社のマニュアル的には一番高いコースから売ることになります。それでもだめなら…みたいな感じで価格を下げたコースをおすすめしていくっていう流れになります。
毎週末に売上報告の会議があって、全国400人ほどの社員が全員電話口に立ち、ノルマを達成したかどうかを営業本部長にひとりひとり報告せねばなりません。(電話は各オフィスにつながっていて今でいうスカイプ?みたいになって会話を共有できます)
ノルマ達成できてたら盛大に褒められ、達成できてなかったら、どちゃくそに怒られて、ときには自分の直属の上司が怒鳴られるのを見るはめになるわけで、それはもう精神的には厳しいもので、サンドイッチ投げつけられたり、机蹴られたりは日常茶飯事。出張の予定もないのに夕方になって急に着の身着のまま三重県に飛ばされたり…。
その会社が実質はじめての就職先になったわたしは他の会社を知らないので世のお父さんてなんてしんどい世界で生きてるんだ〜!と日々思ってました。でもここが特殊だったんですよね、あとで知りました。
そんな普通の会社とはちょっと違ったいわゆるブラック企業と呼ばれる会社だったと思うんですけど、そこで学んだことのひとつに「全人格の肯定」っていうのがありまして、この考え方は今のわたしに大きく影響を与えているので書いておこうかなと思います。
「全人格の肯定」っていう言葉の並びで伝わるかもですが「許してもらえ」ってことです。
急に玄関にたつことも、2時間居座ることも、会ったその日に90万円の契約をしてもらうことも「あんたやったら、しゃーないなぁ」って言ってもらえってことなんです。
「あんたやったら、しゃーないなぁ」
最強ですよね。そういう人になれたら。生きていく上で、一番つよい。じゃ、どーやったらそんな風に許されるのか。ただただ一生懸命でいいのか。ニコニコしてたらいいのか。
わたしだったらどーするか。
一生懸命さは当たり前。しゃーないなって言ってもらうために、嫌がられないようにニコニコしながらしぶとくあの手この手を使います。…あれ、これじゃ根負けさせてるだけか?
許してもらうってむつかしいけど(そもそも誰に?っていうのが前提であるし)、ここぞというときには許してもらえる人になりたいと思います。
そのために日々精進なのであります。