(18) 日産 パルサーセリエX1(FNN15)(1997年)
日産 パルサーセリエX1(FNN15)(1997年)
所有期間 2003年02月~2003年02月
■日産 パルサーセリエX1(FNN15) について
パルサーはサニーとならび、日産のファミリーコンパクトの中核を担うモデルで、N15型と呼ばれるパルサーは平成7年1月にデビューした。
これまで、パルサーには4ドアセダンと3ドアハッチバックをラインナップ(※1)していたが、5代目(チェリーから数えると7代目)となるN15型では、3ドアハッチバックには「パルサーセリエ」の名称を与えた。
パルサーはサニーと同クラスのコンポーネントを持つ異兄弟的な立場であり、国内向けを意識したサニーに対し、パルサーではよりヨーロッパをイメージしたデザインで差別化を図っていた。
N15型の搭載エンジンは、ベーシックな1500ccと1600ccを軸に、上級グレードとしてよりスポーティーな1800ccもラインナップ。駆動方式はFFと4WDを用意していた。
N14型ではGTI-Rと呼ばれるWRC(世界ラリー選手権)に向けたホロモゲーション用ホットモデルも存在したが、N15ではターボモデルは存在しなかった。
しかし、後の追加ラインナップで、1600ccNAながら175psをたたき出したVZ-Rや、更に限定モデルとしてジムカーナ選手権向けのオーテックバージョンなども存在した。
車格は国内の他メーカーではカローラ・スプリンター、シビック、ミラージュ/ランサーのライバルであるとともに、海外市場ではVWゴルフ、オペルベクトラ、プジョー306あたりがライバルとなり、特にVWゴルフに対してはグレード構成も非常に近いラインナップを展開していた。
N15型は平成12年5月に車種整理で生産終了となり、パルサーの歴史はこのN15型をもって幕を閉じることとなった。
※1正確には2ドアクーペもラインナップしていたが、こちらは「パルサーエクサ」と呼ばれ、後に「EXA」としてラインナップから独立した。
■現車紹介
■個人的な概要
会社の同僚君の奥さんがクルマを購入するということで、なりゆきで引き取ったクルマ。
というか、同僚君から話を聞いたのは新車購入するクルマが納入される2日前。
話によると、もともとは引き取ってくれる知人がいたのだが、あえなく話が流れてしまい、あちこちの買取専門店に持っていってもゴミみたいな金額しか提示されず、困っていたとか。
というわけで、ひょんなことから購入。
もちろん、売却目的で購入したわけだけど、4WDということと車検が1年以上あるので「しばらく乗っていようかな」となったわけです。
・走りに関して
まあ、走りをどうこういう類のクルマではないものの、とりあえずインプレ。
1500ccの105psという実にロースペックなエンジンであり、挙句に4WDなため車体重量もあるのだが、5速マニュアルということで出だしはそれほど悪くない。
もともとこのGA15DEは割と(あくまで割とです)出力特性が元気(よくいえば元気。悪く言うと雑)なため、踏めばそこそこ・・・まあ、そこそこは走る。
が、さすがに上のパワーは全然ないため、いわゆる「出だしだけ元気クン」な感じになる。
もっとも、じゃあ出だしが言うほど元気か?と聞かれると、「ファミリーカーにしては」という但し書きが付く程度である。
もちろん、そういうクルマないので、エンジンパワーを要求するのが間違っているのだが、最初がすこーし元気な分、あとで「あれあれ?」となってしまう。
足回りについても、やっぱり特にどうこうといったことはないが、さしてグニャグニャ感もなく、フツーのコンパクトハッチのイメージのままである。
が、やっぱり高速域に入ると妙に不安定になる。無論、これも「ゆっくり走っていればいい」という類のクルマなのでそういうものだと割り切れるのだが、その性質はタイヤを良くしてもグリップばかり上がるだけのため、やっぱりドノーマルで乗っているのが一番。といったものである。
それよりもこのクルマで?なのはブレーキ。
無論、別段フツーに乗っている分にはいいのだが、高速域からのブレーキの安定感は低く、2名乗車ですでに「あんまり無理するとすぐにフェードしそうだな」と不安のよぎる感じがする。
普段、ヴェントに乗っていることもあるため、比較対称としてみると、少々心もとない感じが否めないのが残念である。
・内外装
フツーの小型車なため、やっぱりどうこうということはないのだが、わりとシンプルな内装は好みの分かれるところかもしれません。
(つーか、ヨーロッパ向けということ)
ちなみにこのクルマ、メーカーオプションの「オートエアコン」がついていたんだけど、ノーマルのダイヤル式と異なり、プッシュ式のボタン類になっている。
このあたりは趣味の問題なんだろが、ノーマルのダイヤル式のまま「オート」というボタンをつけるわけにはいかないのかなあ?と思う今日この頃である。
(話はズレるが、ゴルフⅢなんかでオーナーに評判の良いダイヤル式空調パネル。あれって北米バージョンだと一部の低価格グレード以外、立派な液晶のついた日本車っぽいヤツになってるんだよなあ。つくづく日本人の感性ってのがわからなくなる)
で、3ドアハッチバッグということで、ライバルにあたるゴルフⅢの3ドアと比較してみて考える。
まず、ハッチのトランクスペースであるが、このパルサーで一番悲しいのはトランク床が全然フラットではないという点。
というのも、スペアタイヤが出っ張っている配置になっている。それでも床の布が一枚モノで、その下にスペアタイヤがあるなら許せるが、ものの見事にスペヤタイヤのカバーが独立していて、タイヤの隙間に小さな物が入り込んでしまう。
実際、トランクのトノカバーをつけた状態では本当にわずかなスペースになる。(かといってトノカバーがないと中は丸見え)
トノカバーは取り外しが出来るのは当たり前のこととして、このトノカバーの収納に苦慮するため、外した状態のままずっと使うか、トランクスペースを諦めるかのどちらかになる。
実際、4WDということと、デザイン優先なのかどうかわからないが、3ドアハッチバッグとしての快適性能はあまりに乏しい。
外装は、3ドアハッチバッグにしてはスポーティーらしさを感じるようだが・・・・ただ、時代背景を考えると先代のN14パルサーより使い勝手の悪くなったクルマであることは、このクルマのマイナスポイントのような気がする。
とはいえ、装備内容は十分で、フツーに使うにあたってとても困るという点は無し。
ただ、車格のわりに前後左右の車両感覚はあまり掴み良いわけではなく、このあたりはデザイン優先だな、と感じるボディである。
・問題点(故障内容)
1ヶ月以内という所有であるため問題点はなかった。(というか、あんまり乗ってないしね)
・個人評価
1500ccの3ドアハッチバッグで4WDなので便利なことは間違いないが、5MTということでわざわざ乗る人も少ないわけだが、燃費は悪くないため、マニュアルでもいい。という人であればゲタ代わりにはなる。
結局、なんだかんだでYAHOOオークションに出展したところ、損のない状態で売却ができたので良しとしたい。
もっとも、購入者は千葉の中古自動車販売店なので、このクルマを幾らで売るか知らないものの、いちおう需要は十分にあるんだなあ。と実感。
好んで乗るまでの車ではないものの、安く購入できるのであれば十分かな。という気がします。