甘い生活 三連連唱の調べ[8](短調編)
[07] 甘い生活☆☆☆☆(山上路夫/筒美京平、野口五郎)
https://www.youtube.com/watch?v=AvIpuUdS0iQ
「甘い生活」は前回の「池上線」と非常に似ていて、特に歌い出しアウフタクトからの4拍の旋律線はほとんど同じです。そこから、「甘い生活」はポンと1オクターブ跳躍して「モーニングカップ」という歌詞のキーワードを際立たせる。いわゆるAメロから掴みOK、サビでは高音を張り上げ劇的に盛り上がる。よくできた映画音楽のようです。さすがは長けた職業作曲家・筒美京平、ニクイですね。
それに比べ、「池上線」では「ドアのそば」に乗る旋律はそこだけ取れば「ごく普通」の接続的進行であったとも言えます。…が、「池上線」が魅力の上で劣るということではけっしてありません。何度も聞くうちにその沁み出るような渋い味がわかってきて、「巧さ」の少ない分かえってより惹かれる、といってもよいほどです。クラシックでいえば、プラハかっこえー!ジュピターすげえ!とモーツァルトに圧倒されつつ、そのうち、ハイドンのオックスフォードやロンドンをスルメを噛むように楽しめるようにもなる…といった感じでしょうか。
☆☆☆☆(拍頭連唱歌、切分連唱歌)
拍頭単連唱または拍頭複連唱を多く含むもの。
長さ10以上の連唱を含むもの。
切分連唱や切分準連唱を多く含むもの。
↑写真は採譜例です。「原譜」(があるとしてそれ)は不明なままの、あくまで一例です。歌なので本来は符尾を非連桁にすべきですし、拍子も採譜としての可能性の一つに過ぎません。その辺りご了承頂きたく…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?