傾いた道しるべ 三連連唱歌の調べ[9](短調編)
[08] 傾いた道しるべ☆☆☆☆(小椋佳、布施明)
「シクラメンのかほり」の次に出たのがこの「傾いた道しるべ」です。初めて自分で買った歌謡曲のシングルレコードが確かこの曲だったと記憶しています。「ドーナツ盤」と呼ばれていた45回転のレコードですね。「心の中の三叉路でか(たむいた)」は、拍頭13連唱。ということは、「津軽海峡冬景色」や「能登半島」の多連唱部よりも短いのに、歌詞の意味とも相俟って、ぐるぐると巡って耳に残りこだまし続けるかのようです。曲の後半、「あぁ三叉路ばかりの…」から、突如それまでの2コーラスには出なかった新旋律が歌われます。その構造は「シクラメンのかほり」(の「疲れを知らない…」)と似ていますが、三連連唱ならではのパワーを有しているこちらの方に私は惹かれます。終始暗い旋律に対し、それに乗る歌詞の方は実はやや明るい希望も告げつつ進むところが意外で、結婚式とかで歌うのもなかなか粋かもしれません(?笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=zYwWkUgbaB8
☆☆☆☆(拍頭連唱歌、切分連唱歌)
拍頭単連唱または拍頭複連唱を多く含むもの。
長さ10以上の連唱を含むもの。
切分連唱や切分準連唱を多く含むもの。
↑写真は採譜例です。「原譜」(があるとしてそれ)は不明なままの、あくまで一例です。歌なので本来は符尾を非連桁にすべきですし、拍子も採譜としての可能性の一つに過ぎません。その辺りご了承頂きたく…。
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