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コーヒーのカテゴライズに関する考察

急啓

ブラックコーヒーはジュースではない。

 長らく飲むことが出来なかったブラックコーヒー。つい最近、昨年の秋頃に飲めるようになった。突然のことだった。

 私は今までコーヒーに砂糖やミルクを入れて飲んでいた。そうすることで子供にも飲みやすい甘くてマイルドな味に仕上がるからだ。

 そして、甘いコーヒーしか認識していない私の中では当然、コーヒーは「ジュース」の付近にカテゴライズされる。茶を飲もうと思ってコーヒーを飲むことはないが、お菓子と一緒に流し込むジュースとして甘いコーヒーを頼むことは当然あった。

 しかし考えても見て欲しい。コーヒーは、ブラックコーヒーは甘さを考慮して作られているのかと。

 ミルクコーヒーをジュースにカテゴライズするのは不自然ではない。しかし、ことブラックコーヒーに関しては別問題だ。製法から考えて、乾燥した植物を砕いて炒って抽出しているという点で完全に茶の親戚だ。甘味側ではない。茶特有の五味に当てはまらない純粋な旨み。コーヒーはそちら側の存在だろう。

 そう考えた私は、舌のモードを「ジュース」から「茶」に切り替えてブラックコーヒーを飲んでみることにした。

 するとどうだ。この鼻に抜ける焼けた植物体の香り。黒色の液体も美味しそうに写る。あの苦手だった苦味ですら茶だと思うと個性として受け入れることができた。

 ブラックコーヒー克服に必要なのは加齢でも慣れでも肥えた舌でもない。気づきから得るコペルニクス的転回、発想の転換だった。

 この話を母親にしてみたところ「あんたのそう言う意味のわからない理屈を並べてグダグダ喋ってるところが好かない」と言われた。

 身内にしては苦過ぎる意見だが、コーヒーでも飲んで落ち着くか。

草々不一

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