VPSによるFX自動売買運用のメリット・デメリット
こんにちは!
VPS運用についての質問をたくさん受けるようになってきましたので、
よく聞かれる内容を整理してお伝えしていきます。
皆さんの中にはどちらかと言うと、
ご自身のノートパソコンやデスクトップパソコンに
MT4をインストールして
EA運用を行っている方が多いと思います。
もちろんこれでも運用は可能です。
しかし、思わぬリスクが潜んでいますので、
その点から書いて行きましょう。
EA(自動売買)運用の最大のメリットは、
自分の代わりに24時間/365日(もちろん土日祝日除きます)、
EAにトレードを行わせ、トレードに費やす時間から解放されることです。
つまり、常に「MT4」を起動するために、
母体のパソコンも常時動かすことが前提になります。
熱い夏場に突然パソコンが強制終了した経験はありませんか?
他にも、
作業を重複して行っていたらフリーズした
Windowsの自動更新プログラムでパソコンが勝手に再起動した
誰かが間違ってコンセントを抜いてしまい電源が切れてしまった
猫がキーボードの上に乗って誤作動を起こした
色々なケースで思わぬことが起きる可能性があります。
大事なトレード中にこれらが起きると致命的です。
もちろん、
停電した
地震や火事でパソコンが壊れた
こういった天災や自然災害が起きる可能性もあります。
手元のパソコンで運用を行う以上、
安定したトレード環境の維持責任は自分に掛かってきます。
実はこれはとてもしんどいです。
勝てるロジックも大事ですが、同じくらいに
安定したトレード環境は大切です。
そんな中、私が試行錯誤して最終的にたどり着いたのは、
VPSサービスを活用した運用です。
VPS(バーチャル・プライベート・サーバ)とは、
簡単に言うとオンライン上に24時間/365日動き続けるパソコンを
レンタルするようなものだとお考え下さい。
接続には自宅パソコンが必要ですが、自宅パソコンの電源を落としても、
オンライン上で変わりなく稼働し続けます。
トレード環境の安定度は抜群ですので
長期運用をお考えの方は必須環境です。
月額の使用料金がかかりますが、
VPSの機能と費用について説明いたしますので
費用対効果を考えてみてください。
ちなみに私はお名前.comのVPSサービスで
8GBのプランを複数使用しています。
MT4を一つ動かすには約500MBのメモリがあれば十分ですので、
通常は1.5GBで十分だと思います。
それではまず、パソコンでFX自動売買を運用した場合の
課題について整理します。
大きく分けて2つ、
「環境維持のための費用」と「リスク」が存在します。
「環境維持のための費用」
パソコンの電気代は諸説ありますが、
安く見積もっても1時間1.5~2円程度と言われています。
もし自動売買のために24時間動かすとなると、1日約36~48円
月20日(土日を除く)の稼働とすると、
約700~1000円程度は電気代が発生すると考えられます。
また一般用のパソコンはノートPC・デスクトップPC関係なく、
常時使用を前提には作られていませんので、
継続稼働時間が長くなると必然的に寿命が短くなります。
数年に一度ですがこうした場合には、
パソコン本体買替の費用も現状維持のための費用に入ってきます。
「リスク」
すでにお伝えしましたが、
パソコンを稼働させ続けて自動売買を行うリスクには、
以下のようなものが考えられます。
・ネット回線が切れる
・PCの電源が勝手に落ちる
・PCがフリーズする
・災害等による停電
・外出先からの稼働確認ができない
自動売買を稼働させる前に行うバックテストでは
長期間のデータを取ることが重要ですが、
そのデータは「稼働させ続けた場合」という前提があります。
自動売買のメリットは、バックテストを行った条件と同じ環境で
常時トレードを行い、バックテストの結果を再現していく点にあるため、
為替市場がオープンしている時間帯は、
自動売買を稼働させ続ける前提でセットアップする必要があります。
なんらかの事情でパソコンの電源が落ちてしまったり、
接続が切れてしまったりすると、
当然、取引チャンスを逃すことになります。
またポジションを抱えている状態でアクシデントが起きると、
決済するべきときに決済できず、
大きな損失を被ったり、利食いのチャンスを逃したりすることで
収支に直結します。
VPSの利点は、安価で稼働の安定性と
それによる安心を確保できるという点で、
上記で挙げた自宅PCで24時間稼働させるリスクは、ほぼ排除されます。
費用も2000円/月程度におさまりますので、
電気代を考えると実質的な費用差はさらに小さくなります。
もちろん、この費用もトレードコストと考えて、
トータルのコストを上回る運用益を目標に設定することが重要です。
もし「自動売買のためにもう1台パソコンを買おうかな」と迷っている方がいましたら一度立ち止まって、ぜひVPSの利用を検討をしてみてください。
ちなみに会社を経営されていたり、フリーランスの方は
VPS費用は経費として計上できます。
現在私が使用しているお名前.comのVPSサービスですが、
プランごとのMT4の最適稼働数は下記の通りだそうです。
個人的な体感では、それぞれ+1~2個しても全く問題ありません。
通常はMT4を一つ稼働させるのに概ね500MBあれば十分と考えられます。
注意点としてはプランの変更は後で可能なので、
まずどれにするか迷ったら一番小さい1.5GBのプランにして、
足りないようであれば2.5GBプランへのアップグレードを
検討するということがオススメです。
※VPS会社は基本的に上位プランへの変更はOKですが、
下位プランにダウングレードすることはNGの場合が多いです。
(お名前もそうです。)
VPSの初期設定はこちらのガイドをご参照ください。
VPS契約後、こちらの初期設定が完了しましたら、
VPSにログインして通常のパソコンと同じように
MT4のダウンロードを行い、EAのセットアップを行います。
運用資金が少ない中で無理にVPSを利用する必要はありませんが、
将来的にはVPSの利用は必須ですので、
適切なタイミングで切り替えてください。
最後にちょっと宣伝です。
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