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僕たちはnetgeekに振り回されてきたのか?

バイラルメディアであるnetgeekの運営陣に対し、フェイクニュース被害を
提訴するニュースが話題になっています。

運営陣からの取材もなく記事を掲載したことや、実際には投稿されていないSNSを捏造しニュースにしたことなどを受けての提訴とのこと。
上記記事のなかでは、このような手法で記事の閲覧数を稼ぐ行為は"集団リンチを見せつけて金を稼ぐのと同等の行為だ"として非難されています。

それがありもしない事であるにも関わらず、ネット上で話題になり事実無根の非難を受け手が被ってしまうのであれば、それは辛い事だと思います。ところで、果たしてnetgeekがリリースをするこのweb記事自体はどのような人が拡散をし、どの程度広がるものなのでしょうか?

<Keywords>"netgeek" "ネットギーク" "#netgeek" "#ネットギーク"
<date> 2018/1/1〜12/31
<Platform>Twitter
<他セグメント>Japanese(言語) only

で調べてみたtweet volume(RT, reply含む) の結果が以下の通り。

(volume) 1,818,958

年間のvolumeが200万に迫る勢いで、バズると1日に30,000近く記事が拡散される時もあるようです。

30,000/日という数字がどれくらいかというと、別の調査時の数値を引き合いに比較をしますが、2018年に最も使われたハッシュタグ TOP10の第10位 "#欅坂46"のハッシュタグ数を日別にならしてみたら平均で約26,000程度でした。

時として1日の話題数が国民的アイドルの話題数に匹敵する、と考えるとそのインパクトの大きさがわかると思います。

ちなみに話題数が15,000に迫る日にどのような投稿がされているか?例に挙げると以下のような内容です。

この投稿も真偽が定かではないにも関わらず、Tweetの記載内容は東京五輪の運営側に向けられているようにも見え、この投稿のReplyのなかにもステマ元が定かでない点を言及する声が挙がっています。

この1投稿を壇上にあげただけでも、メディアとしてのニュースの取り上げ方に問題があるように伺えますし、かつ、話題のボリュームとして話題の潮流を生むのに充分なボリュームを含んでいると言えます。

この投稿をRTした方々を見ても、例えば懸賞アカウントの類ではなく学歴、年齢、性別を問わず人格をしっかり有したアカウントのRTが多く見受けられるので、こういう方々の誤認を生み、拡散に加担させている点でメディアとしてはかなり危ういなぁ〜と思いました。

シェア数(メンション数)を露出数と捉えるのは間違い

一番上に抜粋をした記事を見ると、同メディアはどうやらライターに対し社数に応じて報酬を提供していたようで (1万を超えた場合、3000円~6700円。しかし、500未満だと0円に)、この仕組もメディア運用の仕方としては非常に危険だと思います。

なぜなら、シェア(RT)数というのは特定のアカウントからRTなりシェアするなりを押して、そのアカウントを介して拡散された数の総数であり、つまりそのアカウントが意思を持って広める事に寄与した数値だからです。

だからこそ、その総数が例えば10回だけだったとしても、発信する声に共鳴をした数として尊いものであると考えなくてはなりませんし、その数を増やすためにはメディアとして提供するニュースのコンテンツ力で勝負しなければならないと思っています。

これが拡散をさせるためのTIPsだけが優先され、中身を伴わないばかりか誤認を生むような表現で数値だけを稼ぐことが優先されてしまうと、それはやはりメディアとしての本質を見失っている、という風に言わざるを得ないのではないか、と思います。


Twitterというプラットフォームが好きで、とても示唆に富んだSNSだなぁと日頃から思っているからこそ、今回のような問題が提起されたときにはちゃんと定量・定性の視点から見定め、意見を持たねばと思い記事を書きました。

目先の拡散に踊らされ、怯えるのではなく、拡散されるということが少しでも前向きに捉えられるようになることを願って止まないです。

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金清 雄太 \ Head of 65dB TOKYO
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