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チェコ買い付け日記⑰「思い出し迷い」

週末はフリーマーケットです。
プラハのフリーマーケットはかなり大規模らしいと行く前にリサーチしていました。
昼過ぎには終わってしまうようなので、8:30ごろホテルを出ます。
地下鉄とトラムを乗り継いでU Elektryという場所へ。
土曜日の朝、郊外へ向かうトラムですが車内は割と混んでいます。みんなフリーマーケットに行くのでしょうか。

最寄駅に着くと乗客の8割くらいがぞろぞろと降りました。
美術館や映画を見に行く時、同じ方向に歩いて行く人が多いと「これはみんな同じ目的地かもしれない。混んでいたらどうしよう」と思うことがあります。
大体はそんなことはないのですが、今回は本当に「みんなフリーマーケットに行く」パターンでした。

人の波について行くとフリーマーケットの入り口につながっていました。
入場料30czkを払って中へ入ります。
中はとても広い。
簡易的なプレハブ小屋のようなものを出している人や、キャンピングカーの横に店を出している人、キャンプで使うタープを立てている人。地面に箱を並べただけの店や、シートを広げただけの店もありました。
古着やアクセサリーを売る店、食品を売る店、電化製品を売る店…ありとあらゆる物が売られています。
全部で300店くらいあったのではないでしょうか。
その中に混じって食器や雑貨、本やポストカード など、私が目当てにする店が所々にあります。

とても寒い日でした。
もうすぐ6月なのに長袖シャツ、薄手のニット、デニムジャケットを着ているのです。
しかも追い討ちをかけるように時々雨が降ります。
そして時々晴れるのです。そしてまた雨が降ってきます。
一体なんなんだ。

ビールを売る店や食べ物の店もありますが、店が撤収されてしまう前に全てを回り切らなければ…。
飲まず食わず、トイレにも行かずにひたすら店を回ります。
きれいに並べられた店や、箱に乱雑に詰め込まれた店など様々です。
最後は早歩きで背の高い人たちの間を縫って歩きます。

蚤の市3-2

長机ほどのテーブルだけのこじんまりとした店に鉄道模型が売られていました。
小さなダンボール箱にそれぞれ違う種類の列車が8個入っています。
店のマダムに聞くと「メルクリン」というドイツの鉄道模型会社の製品で正規品だとのこと。
8個まとめてしか売らないと言われました。
私は鉄道や鉄道模型を眺めるのは好きですが詳しくはありません。
とても素敵ですが、言われた値段が高いのか安いのか、そもそもメルクリンというのも知らなかったのに決められません。
3回くらい戻ってその度に見せてもらいましたが、価値がわからない物を買う勇気がなく、結局買わずに店を後にしました。
あれは買うべきだったのか、今でも時々思い出して迷っています。


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