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チェコ買い付け日記2024⑪「ラダの家とスーパーマーケット」
フルシツェからプラハに戻ってくると大雨でした。あまりに雨がひどいので、駅の中で雨宿りをしている人もいます。
私たちはそのまま地下鉄へ。宿の最寄駅で地上に出ると小雨になっていました。部屋で一息ついている間にも黒い雲はどんどん流れていき、すぐに晴れてきました。
土曜日の夕方なので行きたい店はほとんど閉まっています。晩ご飯の買い出しと何かお土産を探しに、大きなスーパーマーケットへ行くことにしました。
目指すスーパーマーケットは宿のあるI.P.Pavlova から西へ。ブルタヴァ川を越えた先の Anděl にあるTESCO です。去年泊まっていた宿がこのさらに西側にあり、ほぼ毎日ここでトラムを降りて買い物をしてから帰っていました。トラムやバスが何本も通り、地下鉄の駅もある。この先に広がる住宅街と中心部をつなぐ中継地点のような場所なのでしょう。ショッピングセンターも複数あり、TESCO はその中の1つに入っています。
途中、トラムを乗り換えて「ラダ通り」に寄り道。ヨゼフ・ラダが住んでいた通りにはラダの名前が付けられています。お墓参りは去年済ませたので、今年はプラハで住んでいた家を見に行くことにしました。
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ダンシング・ハウスから南へ。週末の夕方、ブルタヴァ川沿いを歩く人々が賑わうエリアからさらに南へ行ったあたり。トラムの駅でたった2駅なのに、さっきまでいた賑やかな場所から急にしんとしたように感じます。週末ですが観光客はほとんどおらず、カフェのテラス席では人々がビールを飲んだりして寛いでいます。お昼に行われたアイスホッケー世界選手権のチェコ対スウェーデン戦の勝利の余韻が残るような賑やかさもありますが、店がぽつりぽつりとしかないので、それも騒がしくはなく和やか。2駅向こうの賑やかさと比べると少し寂しいようにも感じられます。
ラダが住んでいた「ラダ通り」は突き当たりと突き当たりに挟まれた本当に短いもの。100mもないくらいです。住んでいたピンク色の建物にはラダの像が掲げられていました。でもそれだけです。今は別の人が住んでいるのでしょう。もしかしたら建物も建て替えられているのかもしれません。
お昼にいたフルシツェ村の、あのラダ一色の村の様子と比べると、なんだか呆気ないものでした。夕方で通り全体が背の高い建物の影になった薄暗い中で何枚かの写真を撮り、他にすることもないのでその場所を後にしました。
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ラダの絵にはプラハを描いたものがあまりないようで、そういえば私は思い出せません。逆にフルシツェを思わせる絵は無限にあります。
ラダは本当にフルシツェを愛していたのだな。
プラハは美しい街だけれど、住んでいる人にとっては当たり前の風景。第二次世界大戦の連合軍によるプラハへの空襲で娘を亡くしたり、その前後の暗い時代など、辛いことも多かったのかもしれません。
チェコの人は住んでいる家の他に別荘のような場所を持っていることが多く、特に都会に住む人にとって田舎の家は週末ごとに訪れる大切な場所のようです。ラダも、どっちがメインの家かわからないくらいフルシツェにいたんだろうな、などと勝手な想像をします。
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気を取り直してスーパーマーケットへ。Anděl のTESCO は巨大で、よく見るとスーパーマーケットではなくハイパーマーケットと書かれていました。売り場はもちろん通路も広いので、ゆったりと買い物ができるのもよいところです。
今回は初めてお惣菜を買ってみることにしました。去年何度も来たのに、端っこにあるためか、このコーナーまではチェックしていませんでした。お惣菜とは不思議なもので、ショーケースに並ぶ料理にテンションが一気に上がります。
お肉は散々食べたので魚が食べたいよね、という日本人中年女性二人組の選んだものは、ニシンの酢漬け、サーモンのマリネ、ハムのアスピック。白ワインと、美味しいと噂のボヘミアチップスのスメタナ味(サワークリーム味)も買いました。
宿に帰って食べたお惣菜は、どれも期待していた以上に美味しいものでした。TESCO やるなぁ。
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こんなとき、二人っていいなと思います。一人だと買い付けのことしか頭になく、食べ物はどうしても後回し。お惣菜を買うということも、部屋でワインを開けることも思いつきませんでした。一人の旅もいいけれど、誰かと話すことでアイディアが浮かび、旅が潤うんだな。今、日記を書いていて思ったことでした。