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チェコ買い付け日記2024⑥「プルゼニへ行く」

去年、一昨年と過去2回の買い付けではプラハとブルノというチェコの2つの大きな街と、もう1つか2つ少し小さな街へ日帰りで出掛けました。今回は滞在が短いのでブルノには行けなかったのですが、その分プラハをいつもより丹念に。そして地方の街にも1つだけ。
どこにしようかとプラハに着いてからも迷いに迷って、初めての街プルゼニに行くことにしました。

プルゼニはプラハから鉄道で1時間半ほど。チェコで一番有名なビール、ピルスナーウルケルの工場があることでも有名です。工場の見学ができてビールも飲めるので、私の中ではプルゼニ=ビール。せっかく行くのだから工場見学もしたい!でも古本屋を回った後に元気が残っているだろうか?仕事以外のことが気になってしまいます。
そうは言っても優先すべきは買い付け。朝8時前にホテルを出てプラハ中央駅へ向かいます。

今回初めてチェコ国鉄のアプリを使ってみました。便利!!!
今までは駅についてから窓口に並んで切符を買っていました。切符を買って予定時刻のボードを見に行って列車が何番線に入るのか確認して、遅延していればボードの前で待ち続けて…。
アプリならそれが全部スマートフォンで完結します。こうやって人とコミュニケーションを取らずに旅が完結していくんだな。スムーズに進むのはありがたいし便利だけれど、見て楽しむだけの淡い色の旅になる気がするな。なんて偉そうなことを言っても、知ってしまうともちろん後戻りはしないし、人間ってわがままだなとも思います。

プルゼニ行きの列車は空いていました。席の指定はしなかったので座席の上になにも表示がない席を探して座ります。これは初めての買い付けのときに知ったこと。座席のところに「Praha - Plzeň」などと書かれていたら、それはその区間を座席指定で買っている人がいるということ。指定席と自由席が混在しているのです。

のんびりと1時間半の旅。毎日雨が降っていましたが、この日は朝からとても良い天気。真っ青な空の低い場所にちぎった綿のような白い雲がぽこぽこと浮かんでいて、それが地平線まで続いています。

少し前に「緯度が高い場所は雲が低い位置にできやすい」というのを読んで、ああ、やっぱり!と思いました。
初めての買い付けのとき、同行していた夫に「なんか絵みたいな雲だよね」と言われて初めて、確かに西洋絵画で描かれている雲みたいだなと思ったのでした。こういう雲の絵を描く人は、実際にこういう雲を見ているから、あの絵になるのか!という発見でした。その時は日本で見ている雲と何が違うのか、なぜ違うのか全く分かりませんでした。
雲が近くにあるということ以外にもいろいろな条件がありそうですが、絵の上手な人は、ちゃんとその景色を伝えてくれているんだなと感心したできごとでした。

プルゼニの駅が近づいてきました。私は今までに2回、降りるべき駅の1つ手前で降りてしまうという失敗をしています。(詳しくは過去の買い付け日記をどうぞ。)今回はよくよく注意して、手元のスマートフォンで現在地を確認しながら、車内の画面に出ている「plzeň hl.n(プルゼニ中央駅)」の表記を何度も確認。多分ほかの人はそこまでしなくていいんだろうけれど…。今回は無事に目的の駅で降りることができました。

プルゼニでは3つの古本屋にいく予定。3軒とも街の中心にある共和国広場の近くです。中央駅からトラムで2駅。チケットはトラム車内のタッチ式クレジットカード券売機で買うことができました。

プルゼニの共和国広場は街の規模の割にはかなり大きなものでした。プラハの旧市街広場と同じくらいか、もっと大きいかもしれません。平日ということもあってか観光客は少なめ。大きな教会と聖母マリアの柱像、3つの現代的な噴水があって、広場の周りも写真を撮りたくなる建物ばかり。広場をぐるりと一周します。
広場の真ん中に健康保険会社の名前が入ったテントが張られていて、なにやら行列ができています。それでも広場は賑わっているというよりは、のんびりとした雰囲気。それくらいのことはものともしないほど大きな広場なのです。

さて、まずは3軒のうち一番遠い店から。歩いて10分弱。暑いので日陰を探しながら、写真を撮りながら、古本屋へ向けて出発です。

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